岸田文雄首相が、選挙の応援演説で訪れた和歌山市・雑賀崎(さいかざき)漁港の会場。4月15日、その会場で爆発物を投げ込んだとして、無職・木村隆二容疑者(24)が現行犯逮捕された。和歌山県警は、兵庫県川西市にある木村容疑者の自宅などを中心に捜査を慎重に進めている。
現役の首相を狙った犯行の背景には何があったのか。事件発生から4日が経った4月19日夕方──週刊ポストは、兵庫県川西市内にある木村容疑者の父方の祖母が暮らす団地を訪れた。現在、容疑者の父親は祖母とふたりで暮らしているという。仕事帰りなのか、夕方に帰ってきた父親に話しかけると、「心当たりないです、帰ってや」とひとこと。玄関前で再び声をかけると、緊張した表情を見せながら、記者が投げかけた質問に答えた。
──なぜこういった事件が起きてしまったと思いますか。
「本人に聞いてくれ。あんたの兄弟とか親とかがなんかやって、なんでですかって聞かれたら、わかる? 別居してんのやから(本人の事情を)知られへんって、取材して知ってるやろ。だからそういうことやねん。一緒に住んでないんやから、わかるはずがない」
──5~6年前までは、一緒に暮らしていた?
「まあ俺もちょっと(報道)読んどるけど、『血が繋がってるだけで(隆二容疑者とは)関係ない』とか、ああいうのは全部マスコミ対応や。電話かかってきたりして、俺も強がりみたいなこと言うけど……(声を震わせて)俺の顔見てわからんか? 本当に関係ないと思ってるかどうか。俺もここで5キロ痩せてんねん。メシも欲しくないし、食われへんし。
俺のおばあちゃん(隆二容疑者の祖母)も言うちゃらへんけど、なにしたって言うねん。おばあちゃん、ほんまにかわいそうやねん。ぽつーんとソファに座って、テレビみたら隆二のことやってるし。この前も言うてたわ、『もうここには住まれへんなあ』って」