国内

「直接感謝を伝えたい」岸田首相が襲撃犯をヘッドロックした漁師に電話、赤シャツは処分へ

取り押さえた漁師の男性も注目された

取り押さえた漁師の男性も注目された(写真は木村容疑者。中学生時代)

 またしても、選挙期間中に大物政治家が襲撃された。4月15日、岸田文雄首相(65才)が衆院補欠選挙の応援で和歌山県和歌山市雑賀崎の漁港を訪れ、演説を始めようとしていた時、首相めがけて銀色の筒が投げられ、次の瞬間、「ドン」という爆発音が鳴り響いた。昨年7月に起きた安倍元首相銃撃事件の悪夢の再来か──幸いひとりの死者も出なかった。

 威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕されたのは、職業不詳・木村隆二容疑者(24才)。SPより先に容疑者を取り押さえた“立役者”が、西出さん(54才)だ。「赤シャツ漁師」のとっさの行動は数々のメディアで繰り返し放送され、大きな反響を呼んだ。西出さんは、この雑賀崎の地に生まれ、30年以上、底引き網漁を営み、エビやヒラメを捕獲してきた。西出さんが、当日を振り返る。

「演説中の岸田総理の写真を撮ろうと思って前方に進んで行ったら、斜め左側の人が黒っぽい物を投げた。あれ? おかしいと思って。歩きながら気にしていたら、手元でまだ何かをしている仕草があったんで、見たら“次の物”を持っていた。だから、とっさに押さえにいきました。そのときは無我夢中だったので、ヘッドロックは自然に出たと思います。少しだけ柔道の経験があるので。小学生のときですけど……。

“次の物”も爆弾で、現場で爆発していたとしたら、まだ周りに大勢の人がいてたんで、みんなけがをしていたと思います。結果的に爆発せず、けが人もほぼいなかったので、本当によかったと思います」

 事件後、西出さんは木村容疑者の身柄が置かれていた和歌山西警察署で事情聴取に協力していたそうだ。聴取は6時間超にも及んだというが、その疲れを吹き飛ばすような“サプライズ”の贈り物があった。

「岸田首相自ら、西出さんにお礼の電話をしたそうです。“どうしても直接感謝を伝えたい”と、ツテをたどって連絡先を入手したそうですよ。今回の事件は、安倍元首相銃撃事件を思い出さずにはいられない恐ろしい事件でした。西出さんのおかげで被害を未然に防ぐことができた。彼は総理の“命の恩人”といっても過言ではないでしょう」(警察関係者)

 西出さん本人もこう明かす。

「岸田総理が夕方電話をくれて、“今日のこと、本当にありがとうございました”って言うてもらって。ほんで、自分も総理に“本当にけが人もなかって、よかったですね”っちゅうことを言いました」

 一日にして英雄となった西出さんだが、このまま注目が続くと「漁がなかなか再開できない」(西出さん)ため、日常に戻りたいという思いもあるようだ。西出さんの妻も、「もう赤シャツは着ません(笑い)。処分です。着たらね、仕事にならないと思います」と続けた。

※女性セブン2023年5月4日号

関連記事

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン