「巨人FA移籍5年目」というターニングポイントを乗り越えられるか──。4月19日のDeNA戦で、巨人の丸佳浩が4回の本塁クロスプレーで足を痛めたと見られ、6回の守備から交代した。開幕から打率1割台と不振だったが、この日は2安打をマークしており、上昇気流に乗るかと思われていた。
「4月11日に34歳になった丸は、広島を3連覇に導いた頃と比べれば、力は落ちているかもしれませんが、守備も安定していますし、まだまだ巨人に欠かせない存在です。それだけに、もし離脱となれば痛い。歴代の巨人にFAで加入してきた選手のなかで、丸の貢献度はかなり高い。移籍5年目でレギュラーで出続けている選手は珍しい」(プロ野球担当記者。以下同)
これまで巨人にFA移籍してきた野手は14人いる。4年以上在籍した選手は丸を含め、半数の7人になる(梶谷隆幸は現在、移籍3年目)。
「落合博満は3年で退団、片岡治大は4年で引退しました。ここ10年の加入野手ではベテランの相川亮二の3年、金城龍彦の1年、出戻りの脇谷亮太の3年、一昨年のシーズン途中に移籍した炭谷銀仁朗は2年半となっています。丸は長い間、活躍していると言えます」
巨人にFA移籍した野手の5年目の成績は以下のようなものだ(丸を除く。名前横は年末時点での満年齢)。
【1999年】広沢克己(37歳):16試合、1割4分3厘、1本、1打点
【2001年】清原和博(34歳):134試合、2割9分8厘、29本、121打点
【2004年】江藤智(34歳):55試合、2割2分7厘、4本、15打点
【2011年】小笠原道大(38歳):83試合、2割4分2厘、5本、20打点
【2016年】村田修一(36歳):143試合、3割0分2厘、25本、81打点
【2021年】陽岱鋼(34歳):7試合、1割4分3厘、0本、0打点
清原和博はヤクルトのペタジーニと打点王を争うなど巨人在籍時で最も活躍し、村田修一もフル出場で3割を打ち、本塁打と打点はチームトップを記録した。
「この年の清原は松井秀喜の後を打つ5番として勝負強さを発揮し、初めてのタイトルを取れそうな勢いでした。この活躍でオフに4年契約を勝ち取りましたが、翌年以降ケガで出場機会が減りました。
村田は高橋由伸監督1年目に主軸としてチームを支え、ベストナインとゴールデングラブ賞を取りました。にもかかわらず、巨人が翌年、同じサードのケーシー・マギーを獲得したため、出番が激減。途中からマギーがセカンドで起用され、サードで先発出場するようになった。そんな事情があったにもかかわらず、14本塁打、58打点と結果を残した。しかし、若手育成に舵を切りたい球団の方針があり、オフに解雇された」