昭和を代表する大女優・野際陽子さん(享年81)の七回忌が近づいている。生前、彼女が休日を過ごした逗子の別荘には、度々スタッフや共演者が招かれ、バーベキューパーティーが開催されたそうだが、いま、その別荘はすっかり様変わりしていて──。
神奈川県逗子市の緑豊かな小高い丘の上。周囲には多くの芸能人が別荘を構えているが、その中でもとりわけ大きいこの建物は、地上2階地下1階建てで、クリーム色のレンガ造りの壁が印象的だ。
もともとは静寂のなかに小鳥たちの囀りが聞こえるほどの閑静な場所だったが、最近、様子が一変したという。4月上旬、この家の前に車が何台も止まり、大勢の人の声や物々しい音が聞こえてくる。何やら大がかりな作業が行われているようだ。ここは、6月13日に七回忌を迎える野際陽子さんが生前、セカンドハウスとして過ごしていた家だ。ある近隣住民がこう憤る。
「最近、本当にこの家に困り果てている。人や車の出入りや騒音で、夜も眠れないほどなんです」
野際さんは1958年にNHKにアナウンサーとして入局し、『おはようみなさん』の司会などで活躍。退局後は俳優に転じ、大ヒットドラマ『キイハンター』(1968年)など数々のドラマや映画に出演。再発したがんのために亡くなったのは、ドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)の撮影中、2017年6月のことだった。プライベートでは1973年に千葉真一さん(享年82)と結婚し、1975年に一人娘の真瀬樹里(48才)を出産している。
「野際さんは都内にも自宅をお持ちでしたが、仕事が休みになると、逗子の別荘で過ごすことが多かった。あまりにも広大なので、ちょっとした観光名所にもなっていたぐらい。もともとはご実家があった場所で、2000年にご両親が相次いでお亡くなりになった後に、建て替えたそうです。
野際さんは来るたびに熱心に庭の手入れをされていました。芝生の庭にはドッグランのスペースもあり、愛犬たちと戯れる姿も見かけましたね。弟さん夫婦も同じ敷地内に住んでいて、よく食事をともにしていました」(野際さんの知人)
逗子をこよなく愛し、晩年はこの家でゆっくり過ごすことが多かった野際さん。本人の希望で、葬儀も逗子で営まれた。だが、4月中旬、野際さんの別荘の前では、ため息を吐きながら、家の前を通る近隣住民の姿があった。
「早朝から車が何台も集まってきて、荷物を出し入れするガラガラという大きな音が聞こえるし、知らない人たちがわんさか出入りしているんです。何か撮影をしているようですが、それが時には深夜まで及ぶこともあって、本当に迷惑で……」