健康にいいからと思い食べているものでも、組み合わせ次第で逆効果になることもあるという。たとえば「しらす+ごま」という組み合わせ。年齢を重ねた女性がなりやすい骨粗しょう症予防として、カルシウムたっぷりの食品を意識して摂ろうとする人は多いはずだ。しかし「しらす+ごま」は避けた方がいいという。食品の相性に詳しい食物栄養学博士の白鳥早奈英さんが解説する。
「ともに高カルシウム食品のため、過剰摂取につながる。カルシウムの摂りすぎは便秘や結石のリスクに加え、鉄や亜鉛の吸収障害を引き起こす可能性があります。
また、代表的な美容食である『玄米+こんにゃく』の組み合わせは、玄米に含まれるフィチン酸がこんにゃくに含まれるカルシウムの吸収を妨げます」
「カルシウムといえば牛乳」と毎日牛乳を飲んでいる人は飲み合わせに注意したい。
「牛乳たっぷりのココアは、ココアの食物繊維が牛乳に含まれるカルシウムの吸収を妨げます。同様に大豆やきなこと牛乳の組み合わせもNGです」(白鳥さん)
女性に不足しがちな鉄分も組み合わせによっては台無しになる。管理栄養士の浜本千恵さんは「お供の飲み物」のリスクを指摘する。
「ほうれん草や小松菜など鉄分を豊富に含む植物性の食品を食べる際、コーヒーや緑茶に含まれるタンニンを摂ると鉄分の吸収が悪くなります」
「ほうれん草とゆで卵」の組み合わせも要注意。
「卵をゆでたときに発生する硫黄がほうれん草の鉄と結合し、体内に吸収されなくなります。どうしても一緒に卵を食べたい場合は、スクランブルエッグや目玉焼きにすればOK」(白鳥さん・以下同)
鉄分不足は貧血や頭痛、めまいや肌の乾燥といった「女の敵」を多くもたらすため、しっかり吸収できる方法を知っておこう。
疲労回復や免疫力を高める効果のあるビタミンCの天敵となるのは、きゅうりだ。
「きゅうりに含まれるアスコルビナーゼという酵素が、食べ合わせた野菜のビタミンCを破壊します。トマトや赤ピーマン、大根といった生野菜をベースにしたサラダにきゅうりを入れるのはNG。アスコルビナーゼはにんじんにも含まれており、大根などと相性が悪いです」
野菜同士の組み合わせが悪いとは意外だが、生野菜を食べる際はきゅうりとにんじんに目を光らせてほしい。