「高野山大学で講演したときは、割と辛口でした。『みなさん宗教家が魂を信じていないなら、信者をだますようなものですよ。みなさん、魂があると信じてお葬式やお墓、お守りやお札をあなたがたにお願いするんですから、魂なんてないかもしれないって言ったら詐欺みたいなものです』って言いましたよ。
僧侶の中にもスピリチュアリズムについて学びたいというかたはいらっしゃいます。それぞれ、いいところもいっぱいあるし、そうでないところもあるというだけのことです」
インタビューの初めに、若くして両親と死に別れたことや、その後の苦労について聞くと、江原さんはこう言った。
「私の同世代って、いま、介護で大変な思いをしているんですよ。私にはその苦労がない。親と早くに死に別れてもちろん苦労しましたけど、人生というのはトータルで見ないとわからないもんだな、とこの頃思うんです」
経験することを恐れてはいけない、と江原さんはことあるごとに言い続けている。
「いまは何事も、経験して失敗することを恐れるでしょう? ぶつかっても傷つくんじゃない、磨かれているんですよって、相手の心に残るように、よく私は言うんです。佐藤愛子さんでも瀬戸内寂聴さんでも、さまざまな人生経験を重ねた人の言葉って含蓄がありますよね」
(了。前編から読む)
【プロフィール】
江原啓之(えはら・ひろゆき)/1964年生まれ。スピリチュアリスト。一般財団法人日本スピリチュアリズム協会代表理事。1989年にスピリチュアリズム研究所を設立。また、オペラ歌手としても活躍しており、二期会会員。主な著書に『人間の絆 ソウルメイトをさがして』『自分の家をパワースポットに変える最強のルール46』『あなたが輝くオーラ旅 33の法則』『あの世の歩き方 この世じまいの“地図”を手にすればもう迷わない!』(いずれも小学館)など。最新著書は『パワースポットの条件』(マガジンハウス)。
※女性セブン2023年5月11・18日号