「NOT MY KING」(私の王ではない!)──その日、英ロンドンの中心部にあるトラファルガー広場には、黄色い服を身にまとい、黄色いプラカードを掲げる、数百人規模のデモ隊の姿があった。君主制に反対し、王室廃止を訴える団体だ。「NOT MY KING」は、昨年9月のチャールズ国王の即位以来、反君主制派による抗議活動のスローガンだ。
大量のプラカードを車から降ろそうとするリーダーの男性。次の瞬間、周囲を警察が取り囲み、騒然とするなか、彼は連行された。警察は次々とデモ隊を拘束していく。数時間後、トラファルガー広場の前を、戴冠式に向かう馬車に乗ったチャールズ国王とカミラ王妃が通過した──。
エリザベス女王以来、70年ぶりの戴冠式だった。5月6日、チャールズ国王夫妻は、バッキンガム宮殿を出発して、戴冠式会場のウェストミンスター寺院に入った。約2000人に及ぶ招待客のなかには、秋篠宮ご夫妻のお姿もあった。戴冠式に参列されるにあたり、入念に準備をされてきたという。
「お住まいの赤坂御用地を出発されたとき、ご夫妻は満面の笑みを浮かべられ、居合わせた人にお手振りをされていました。特に、秋篠宮さまのお手振りは珍しく、お気持ちの高揚を隠すことができないといったご様子でした。前日、同行予定の職員のコロナ感染が判明するアクシデントがあったのです。紀子さまはずいぶんと気を揉まれたようですが、晴れて渡英が叶い、ホッとされたのでしょう」(宮内庁関係者)
自身の結婚や渡米を巡って英王室に激震を走らせたヘンリー王子も戴冠式に招待された。妻のメーガンさんは、同日が長男のアーチー王子の誕生日だったからか、アメリカで“お留守番”だった。
「ヘンリー王子は、全身『クリスチャン・ディオール』のファッションで参列しました。ディオールはフランスのブランドです。母国の一世一代の儀式である戴冠式で他国のブランドを着用するなんて、英王室への当てつけだと邪推する人も少なくない。キャサリン皇太子妃はイギリスのブランド『アレキサンダー・マックイーン』を着用していましたから……」(在英日本人ジャーナリスト)
バイデン米大統領の代理で妻のジル夫人、マクロン仏大統領をはじめとした各国の国家元首、王族など錚々たる面々が集まるなか、予期せぬ“ゲスト”の登場に、人々は目を疑った。
「式が始まる直前でした。全身黒ずくめの人物が、聖堂に現れたのです。頭からフードをすっぽりとかぶり、床に漆黒のマントの裾を引きずらせて、手には鎌のような形の棒を握っていた。まさに死神のようなシルエットで、なんて不吉なのだろうと思いました」(現地メディア関係者)