●場を和ませた天皇陛下の“ツッコミ”
2015年秋の園遊会には『ドカベン』で知られる漫画家の水島新司さんが出席。上皇陛下は「(過去に)絵をいただきましたね」と水島さんにお礼を伝えたのだが、実は水島さんの絵は天皇陛下宛てに献上されたものだったそう。そこで天皇陛下が「私がいただいたんですよ」と“ツッコミ”。周囲は笑顔になり、一気に場が和んだという。
●ハプニングにも咄嗟のご対応
長時間・大人数となれば、ハプニングは付きもの。
「車いすの利用者には“お出まし中もお座りになったままで”とお伝えしているのですが、それでも立とうとする方はいます。平成の初め頃、車いすに乗った方が陛下(現・上皇陛下)の前で立ち上がろうとしてふらつかれたんです。すると、誰よりも早く陛下が動かれて抱えられましたので、大事には至りませんでした」
●たった5名の「特別誘導者」
両陛下は招待客の経歴や人柄に至るまで事前によく調べられ、適切な声かけをされる。だが、数多くの出席者の中で懇談できるのはごくわずか。その中に、場所や順番も決められた「特別誘導者」と呼ばれる5名がいる。
「“時の人”を宮内記者会が選び、陛下と会話してほしいと宮内庁に依頼してきます。当日、宮内庁職員が“お声がけがありますのでマイクをつけさせてください”とお願いし、定位置にご案内します」。
●「(柔道は)骨が折れますか?」「2年前に骨折しました」
ロサンゼルス五輪金メダリストの柔道の山下泰裕さんは、1982年春の園遊会で昭和天皇に「柔道で一生懸命やっているようだね。どう、骨が折れますか」と聞かれた。骨が折れる=苦労するという意味の質問だったが、山下さんは「ええ、2年前に骨折したんですけど、いまは体調も完全によくなって頑張っています」と回答し周囲は笑いの渦に。意外なやり取りが見られるのも園遊会ならでは。