安倍晋三・元首相が昨年7月、参院選の応援演説中に銃撃され死亡した事件から、間もなく1年が経とうとしている。事件を起こした山上徹也被告は殺人罪などで起訴され、事件が起きた奈良から大阪拘置所に移送され、裁判を待つ身である。その山上被告が事件直前、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と自民党政権の関係を追及してきたジャーナリスト・鈴木エイト氏にツイッター上でメッセージを送っていたことが分かった。鈴木氏が明かす。
「私は事件後、何度も奈良に行き、山上の弁護団の弁護人への取材を重ねてきました。今年1月のある日、弁護人から山上が“事件前にエイトさんへメッセージを送ったが返信がなかった”との旨を話していると聞きました。事件前に山上が私へ何らかのメッセージを送ってくれていたにもかかわらず、そのコンタクト自体を無視してしまっていたのではないかと烈しい悔恨の念に駆られました」
山上被告は事件前、ツイッターで「オレが憎むのは統一教会だけだ。結果として安倍政権に何があってもオレの知った事ではない」といった投稿をしていたことが分かっているが、個人にメッセージを送っていたことが明らかになったのは初めてだ。鈴木氏が続ける。
「私のダイレクトメッセージの通知メールを確認すると、2022年6月29日21時11分に山上のアカウントからメッセージが2通来ていたことがわかりました。だが、山上のツイッターアカウントはツイッター社から凍結されているため、どのようなやり取りがあったかは確認できませんでした。
数日後、私が落ち込んでいるだろうと気にかけてくれた山上の弁護人から連絡がありました。改めて接見時に山上に確認したところ、当時私から返信があり実際にはメッセージのやり取りをしていたとのことで、単に私が失念していただけでした。弁護人を通じて、やり取りの詳細を山上から教えてもらいました」
山上被告のツイッターは、鈴木氏にメッセージを送った翌日、他者の投稿をリツイートしたことを最後に更新を止めた。そしてメッセージから9日後、山上被告は事件を起こした。山上被告が鈴木氏に送ったメッセージの内容、弁護人を通じた山上被告との交流については、5月26日発売の新著『自民党の統一教会汚染2 山上徹也からの伝言』に掲載される。