《一番最初のグループ名。原点であり、それがあるから今がある。このMr.というコンサートをシグネチャーにしていきたい。5周年の時にはMr.5、10周年にはMr.10と続くLiveを作りたい》
ちらりと映ったホワイトボードには10周年を見据えた構想が書かれていた。神宮寺勇太(25才)が口を開く。
「Mr.という名前を決めたとき、おれたちがいちばん最初にいただいた名前だから、大切にしたいよねって話になって、Mr.にしたじゃん。おれたちは王子様でデビューして、あの曲からスタートしたじゃん」
真摯に頷く4人──これは、昨年春に行われたドームツアーのDVD『King & Prince First DOME TOUR 2022~Mr.~』の特典ドキュメンタリー映像の一幕。King & Prince(以下キンプリ)のメンバーでの会議の様子だというが、この約半年後に神宮寺、平野紫耀(26才)、岸優太(27才)の脱退が決まるとは、このとき、誰も予想していなかったのかもしれない。
キンプリの原点は、平野、永瀬廉(24才)高橋海人(24才)の「Mr.King」と、岸、神宮寺、岩橋玄樹(26才)の「Mr.Prince」からなる「Mr.King vs. Mr.Prince」という期間限定ユニットだった。
「神宮寺さんが話していたように、5人は『Mr.』という名前に強いこだわりがある。昨年のツアータイトルのみならず、デビュー5周年を記念して4月に発売したばかりのベストアルバムを『Mr.5』と名付けたのも、その単語が原点だという思いがあるからでしょう」(芸能関係者)
「Mr.King vs. Mr.Prince」でデビューをしたい──6人に人一倍こだわっていたのが、ほかでもない平野だったという。
「2017年に同じ舞台に揃ったタイミングで思いを確認しあい、平野さんがジャニーさんに『6人でデビューしたい』と直談判し、受け入れてもらったというのは有名な話です。脱退という選択をすることにはなりましたが、彼のメンバーへの思いの強さは変わらないはずです」(別の芸能関係者)
平野の葛藤は、神宮寺が語った「王子様でデビュー」と無関係ではないようだ。『週刊TVガイド』(4月19日発売)では、《当時はどこへ行っても『王子様』と言われて、正直恥ずかしかったし、危機感を感じてました》と率直な心境を明かしていた。
「平野さんは、どちらかというと難度の高いダンスナンバーを好んでいます。BTSの振り付けの経験があるダンサー・振付師の女性の密着番組に登場した彼は、目を輝かせていました。彼女が振り付けを担当した『ichiban』はNHK紅白歌合戦で披露された。また、『ツキヨミ』は、YouTubeの再生回数1億回を突破するなど大ヒットを記録しています。
“世界に通用するアイドルを育てたい”というジャニーさんの夢を、平野さんはよく理解していました。海外進出を本気で考えたときに、“王子様”としてではなく、アーティストとして世界に打って出たいという考えに傾いたのかもしれません」(音楽関係者)
メンバーへの思いと海外進出への思い、そのどちらも平野にとっては偽らざる気持ちだ。キンプリが10周年を迎える2028年、パワーアップした彼が、“約束”を果たしに戻ってくることをファンは願っている。
※女性セブン2023年5月25日号