警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、銀座のロレックス専門店強盗について。
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東京・銀座の「ロレックス」を専門に扱う高級時計店に、8日夕方、白い仮面をつけた男たちが押し入った。その直後から、異変を感じた通行人などがスマホで撮影。その映像には、ショーケースをたたき割って商品を奪う強盗犯の姿が映し出されていた。犯人らは大量の腕時計を奪って、大通りに停めていた白のワンボックスカーに飛び乗り逃走した。だがそのわずか数時間後、10代の男4人が赤坂で逮捕された。4人はいずれも横浜市在住だが、「互いに面識はない」「知らない」という供述をしているという。
「とてつもないアホだと思ったね」、この事件についてある暴力団幹部に感想を聞いたところ、彼はこう返事した。「だが、犯人が未成年と聞いて、ああそうかと納得したよ。最初から使い捨て。捕まることが前提だ。まだ未成年だから、悪くても少年院にぶち込まれるだけとでも言われたんだろう」
逮捕されたのは16~19歳で、現在の成人は18歳ではあるが、少年法では18、19歳を「特定少年」として取り扱うため17歳以下の少年たちとは異なる処遇になる。とはいえ、20歳以上の成人と違って、引き続き少年法の対象になるだが送検手続きされる事件が拡大したため、強盗事件の場合、特定少年は原則的に成人と同じ裁判を受けることになる。
銀座の大通りに面した店で、多くの人の目がある中での犯行は大胆だが、手口は稚拙でずさんだった。銀座には表通りでなくとも、高級時計店がいくつもあるが犯人は大通りの店を狙った。銀座地区の防犯に詳しい人物はその理由を「車を停めやすく、逃走しやすいからだろう」と話す。銀座の通りは一方通行が多く、路上には車を駐車させるスペースが片側に設けられている。「狭い通りの店だと車を待機させる場所がなく、逃げる時も他の車が邪魔になって思うようには逃げられない」という。車で逃走するなら大通りに停めるしかなかったのだろう。
暴力団幹部が「いくら仮面をつけていても、あの手口はひどすぎる」と話していると、彼の電話が鳴った。「あなたの組が関係しているんじゃないの?」という知人女性の声が電話口から聞こえてきた。「バカ言ってんじゃない」と、幹部は呆れた声で答えていたが、「指示役がいるとか組織が絡んでいるという報道があると、暴力団が関与していると思われるが、こういった事件を起こすのは半グレの方が多い」という。