ライフ

歳を重ねてからの友人関係、必要なのは「精神的なギブ&テイク」 距離の詰めすぎ、愚痴、悪口はNG

男性は定年を迎えると「友情」に必要な要素が変化する(写真/PIXTA)

男性は定年を迎えると「友情」に必要な要素が変化する(写真/PIXTA)

 放課後、飽きるまで遊びまわった小学生の頃、好きな男の子を教え合った学生時代、自分で稼いだお金で一緒に旅行した働き始めたばかりの頃……人生のステージが変わっても友達と過ごす時間はかけがえのないもの。しかし、年を重ねて友人との関係を深める人がいる一方、友達がひとり、またひとりと減ってしまう人もいる。

「コミュニティーセンターの手芸教室で知り合った同世代の女性でLINEグループを作ったんです。仲よくなるためにもっと自分を知ってもらおうと、自分で作った作品だけじゃなくて、旅行に行ったときや孫が来てくれたときに写真を撮ってアップしていたら、最初は多くの人が返信してくれたけど、次第に反応が薄くなり既読スルーが増えて……。なんだか急に居心地が悪くなって、しばらくしてグループを退会しました。以来、教室にも気まずくて顔を出していません」(60代主婦)

『定年ちいぱっぱ』などの著書があるエッセイストの小川有里さんは、友達作りにおいて一方的な発信はご法度だと語る。

「芸能人ならまだしも、一般人の生活報告はたとえ友達であっても積極的に見たいという人はほとんどいないと思います。以前、電車のなかでスマホで孫の写真を延々と見せ続けるお年寄りを見かけましたが、一緒にいた人は途中から寝たふりを始めました。つまらなかったんでしょうね」

 友人関係は「精神的なギブ&テイク」が基本と小川さんは言う。

「モノやお金のことではありません。この人はプラス思考だから話していて元気になる、この人は物知りでいろいろ教えてくれる、など互いに与え合うものがないと人間関係は続きません。愚痴や悪口が多かったりネガティブ思考だったりすれば、周囲の人は離れていきます。

 距離感を詰めすぎるのもNG。少し親しくなると『あなたの家をグーグルのストリートビューで見ちゃった』と詮索したり、プライベートに踏み込んでくる人もいると聞きますが、やっぱり嫌われます」

 そうした失敗の多くは、「誰もが自分と同じ境遇にいる」「自分がしてほしいことは相手も同じはずだ」という思い込みに基づくもの。埼玉県の70代女性がため息をつく。

「コロナが明けて通い始めたヨガ教室で同世代の生徒と意気投合し、お茶をする仲に。親しくなれたと思ってつい自分の夫の愚痴を言ったら、彼女の顔色がサッと変わって、『いるだけいいじゃない』と冷たく言われました。どうも彼女は最近旦那さんに先立たれたようで、そこから関係がギクシャクするようになり、結局会わなくなってしまいました」

関連記事

トピックス

6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
第75代横綱・大の里(写真/共同通信社)
大の里の強さをレジェンド名横綱たちと比較 恵まれた体格に加えて「北の湖の前進力+貴乃花の下半身」…前例にない“最強横綱”への道
週刊ポスト
地上波ドラマに本格復帰する女優・のん(時事通信フォト)
《『あまちゃん』から12年》TBS、NHK連続出演で“女優・のん”がついに地上波ドラマ本格復帰へ さらに高まる待望論と唯一の懸念 
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
『マモ』の愛称で知られる声優・宮野真守。「劇団ひまわり」が6月8日、退団を伝えた(本人SNSより)
《誕生日に発表》俳優・宮野真守が30年以上在籍の「劇団ひまわり」を退団、運営が契約満了伝える
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン
アーティスト活動を本格的にスタートした萌名さん
「二度とやらないと思っていた」河北彩伽が語った“引退の真相”と復帰後に見つけた“本当に成し遂げたい夢”
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、小泉家について綴ります
《華麗なる小泉家》弟・進次郎氏はコメ劇場でワイドショーの主役、兄・孝太郎はテレビに出ずっぱり やっぱり「数字を持っている」プラチナファミリー
女性セブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン