開幕から浮上のきっかけをつかめず、中日との“最下位争い”ばかりが注目される原辰徳監督(64)率いる巨人。不振のなかでの試行錯誤が続いており、5月8日には今季、現役ドラフトで楽天から移籍し、開幕戦では「1番・レフト」で起用されたオコエ瑠偉(25)が、出場選手登録を抹消された。
開幕から31試合が終わった時点での二軍落ちとなったわけだが、スポーツ紙デスクはこう話す。
「31試合中、19試合で『1番・外野手』として出場し、打率.247、2本塁打、6打点の成績でした。4月30日の広島戦で4打数3三振となったあとは6試合ベンチスタートが続き、10打席ノーヒットとなっていた。GWの名古屋での中日との3連戦では5月7日の最終ゲームに守備固めとして起用されただけ。広い守備範囲は評価しても、核弾頭としての役割が果たせていないという判断でしょう。
ナゴヤドームでは原監督から“もっと肩の力を抜け。雑巾を絞るようにしてバットを振りなさい”とアドバイスされたそうです。そこから帰京して即二軍行きということは、“オレのアドバイスをもとに練習してこい”ということなのだと思われます。もちろん原監督なりの考えはあるのだろうが、現役ドラフトでオコエを獲得してよかったという評価が球団編成サイドからもあったといい、オコエの活躍がなければ巨人はダントツの最下位だったという声もあります」
他のスタメン選手の成績を見ても、オコエが降格となった時点で丸佳浩(34)は打率.185、2本塁打、5打点、復調の兆しを見せているとはいえ坂本勇人(34)が打率.250、5本塁打、12打点という数字で、「調子を落としていたものの、オコエの成績は決して見劣りする数字ではなかった」(同前)とも評される。
そのためSNSでは降格について〈当然だ〉といった声がある一方で、〈理解できない〉〈もう少し様子を見るべきだ〉〈なんで巨人は外様にはこうなるの〉といった“オコエ擁護”の意見も少なくない。
巨人のコーチは指導できるのか
「報道を見る限りケガということではなさそうなので、開幕からの活躍を見れば降格に賛否両論が出て当然でしょうね」と話すのは、巨人を含むセ3球団で4番を打った経験のある広澤克実氏だ。
「こうした差配が正しかったかは、オコエの代わりにレギュラーとして起用した選手がオコエ以上の活躍をしているかで判断されるんでしょうね。代わりのレフトとして、梶谷(隆幸、34)や外国人選手を使って、上位で打てないからと7番を打たせているようではダメだと思います。オコエを外した後のレギュラーに使う選手の見極めもよくないし、代わりに二軍から上げてきた菊田拡和(21)や岡田悠希(23)といった若手も中途半端な使い方をしているのでパッとしない。これでは余計にオコエ降格に対する批判の声が出てきます。
オコエがスタメンから外されてベンチを温めていた6試合で、チームに勢いをつける選手が出てきていたならファンも納得したでしょうが、そうでもないわけですから、“だったら開幕から頑張っていたオコエを使い続けたらどうですか”という声が出るのも自然なことでしょう」