ビジネス

各業界で深刻なアルバイト不足 「代わりはいくらでもいる」時代は終焉

アルバイト集めの難しさを本部は分かってくれないとコンビニエンスストアオーナーは嘆く(イメージ、Imaginechina/時事通信フォト)

アルバイト集めの難しさを本部は分かってくれないとコンビニエンスストアオーナーは嘆く(イメージ、Imaginechina/時事通信フォト)

 かつて200万人を超えていたフリーター人口は減少し続け、2022年は132万人だった(総務省統計局「労働力調査」調べ。ここでの「フリーター」は15~34歳で男性は卒業者、女性は卒業者で未婚の者の合計)。非正規労働者に頼ることで成立してきた日本の多くの仕事の現場ではいま、深刻な人手不足に陥り、浮上する気配がない。俳人で著作家の日野百草氏が、「人手不足」に直面させられている人たちの悩みをレポートする。

 * * *
「よりどりみどり、選べた時代は終わったのだと思う。昔はコンビニのアルバイトでも求人すれば応募が必ず来て、いろいろ理由をつけて落としたりもしたが、いまは日本語が理解できればそれでいい」

 都心の繁華街にあるコンビニエンスストア、60代のオーナーが語る。

「店が成り立たなくなるのでは、と思うほどアルバイトが不足している。都心に限れば他の店も大なり小なりそうではないか。うちのようなフランチャイズはもちろん、直営店舗もアルバイトが全然集まらない」

 かつてコンビニといえばアルバイトの代名詞、学生アルバイトはもちろん主婦、主夫、そしてフリーターと多くは「アルバイトといえばコンビニ」だったのではないか。失職した場合も「コンビニでバイトすればいいか」は平成の常套句だったように思う。それが主に都市部で不足している。2022年、日本フランチャイズチェーン協会の『コンビニ各社における行動計画の進捗及び 業界の取組状況』でも「急激な社会環境変化への対応遅れ」として、人手不足への対応とその遅れを憂慮している。しかし対策は将来的な省人化、無人化と人口増加が見込める海外へのさらなる進出で、具体的な解決としては厳しい内容だ。

「極端な話かもしれないが、若い人は誰もコンビニなんかで働かない。それくらい来ない。それはもうわかっている。若い人は他にいくらでも働き先があるし、そもそも昔に比べて若い人が少ない。少ない若者が好き好んでコンビニで働くことはない。とくに都心ではそうだ」

 コンビニの仕事は多岐にわたる。以前から「時給に見合わない」「やることが多すぎる」などの不満はあったが、それだけではないのか。

「そんなものは昔からある。安くても、割に合わなくてもバイトに来るのがコンビニだった。こちらもその中から選べた。しかしいまは誰も来ない。若い人は来ない。コンビニが敬遠されているというより、コンビニより働く場所がある、ただそれだけだと思う。ただそれだけ、それが一番怖いことだと思うが、本部も同業者もそれをわかっていない人は多い」

関連記事

トピックス

屋根工事の足場。普通に生活していると屋根の上は直接、見られない。リフォーム詐欺にとっても狙いめ(写真提供/イメージマート)
《摘発相次ぐリフォーム詐欺》「おたくの屋根、危険ですよ」 作業着姿の男がしつこく屋根のリフォームをすすめたが玄関で住人に会ったとたんに帰った理由
NEWSポストセブン
人が多く行き交うターミナル駅とその周辺は「ぶつかり男」が出現する(写真提供/イメージマート)
《生態に意外な変化》混雑した駅などに出没する「ぶつかり男」が減少? インバウンドの女性客にぶつかるも逆に詰め寄られ、あわあわしながら去っていく目撃談も
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン
大の里、大谷
来場所綱取りの大関・大の里は「角界の大谷翔平」か やくみつる氏が説く「共通点は慎重で卒がないインタビュー。面白くないが、それでいい」
NEWSポストセブン
悠仁さまの通学手段はどうなるのか(時事通信フォト)
《悠仁さまが筑波大学に入学》宮内庁が購入予定の新公用車について「悠仁親王殿下の御用に供するためのものではありません」と全否定する事情
週刊ポスト
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・Instagramより 写真は当該の店舗ではありません)
味噌汁混入のネズミは「加熱されていない」とすき家が発表 カタラーゼ検査で調査 「ネズミは熱に敏感」とも説明
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロ2人が並んで映ったポスターで関係者ザワザワ…「気が気じゃない」事態に
NEWSポストセブン
CM界でも特大ホームラン連発の大谷翔平
【CM界でも圧倒的な存在感の大谷翔平】「愛妻家」のイメージで安定感もアップ、家庭用品やベビー用品のCM出演にも期待
女性セブン
堀田陸容疑者(写真提供/うさぎ写真家uta)
《ウサギの島・虐殺公判》口に約7cmのハサミを挿入、「ポキ」と骨が折れる音も…25歳・虐待男のスマホに残っていた「残忍すぎる動画の中身」
NEWSポストセブン
船体の色と合わせて、ブルーのスーツで進水式に臨まれた(2025年3月、神奈川県横浜市 写真/JMPA)
愛子さま 海外のプリンセスたちからオファー殺到のなか、日本赤十字社で「渾身の初仕事」が完了 担当する情報誌が発行される
女性セブン
昨年不倫問題が報じられた柏原明日架(時事通信フォト)
【トリプルボギー不倫だけじゃない】不倫騒動相次ぐ女子ゴルフ 接点は「プロアマ」、ランキング下位選手にとってはスポンサーに自分を売り込む貴重な機会の側面も
週刊ポスト
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん
《ドバイの路上で脊椎が折れて血まみれで…》行方不明のウクライナ美女インフルエンサー(20)が発見、“危なすぎる人身売買パーティー”に参加か
NEWSポストセブン