日本有数の電気街として知られ、観光地としても人気の東京・秋葉原。その裏通り“裏アキバ”には、また違った光景があるという。体験取材を得意とする『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子氏が、秋葉原のリアルを綴る。
* * *
東京・秋葉原の駅ビルに買い物に行ったら、まるでお祭りだ。歩けない。駅の構内が外国人でいっぱいなのよ。秋葉原に住んで6年経つけど、こんな光景は見たことがない。
どこの国の人かと耳をダンボにすると、見当がつくのは英語とフランス語とイタリア語、中国語と韓国語くらい。イスラム教徒の装いをしている東洋系の女性はマレーシアかシンガポールか。
しかしそれは大勢の外国人の中のごく一部でね。駅前にあふれている金髪、小顔で中肉中背の人たちはいったいどこから来たのか。ロシア語? いや違うな。
外国人旅行者への規制が緩和されてから、あれよあれよという間に外国人があふれてきたけど、コロナ前とは彼らの目的が明らかに違うんだわ。
コロナ前は電気街の反対側のヨドバシカメラで、中国人とわかる服装のグループが大きな声で話しながら炊飯器やパソコンを買っていたの。上階の時計売り場では若いお金持ちカップルが高級時計を選んでいたけど、いま、中国の人は目立つほどではないの。
で、例の金髪の一団はマスクをしていないけれど、マナーは知っているのか電車の中で大声で話したりしないし、長く不景気が続く日本にもそれなりの経済効果があるに違いない。お互いウィンウィン? いや、そうはいかないだろう、なんてことを考えながら歩くせいか、家に着く頃にはクタクタだ。
実は私がクタクタになる大きな理由は、謎の外国人集団以外にもう1つある。
原宿の裏通りが“裏原”なら、秋葉原の裏通りを“裏アキバ”というらしいが、そこを通ると2回に1回は、目を逸らしたくなるような“令和の現実”を目にするんだわ。
駅から徒歩数分のところに、安いホテルが数軒あるんだけれど、そこに高校のミニスカの制服を着た女の子が吸い込まれていくのよ。