今オフの「FAの目玉」が、現役続行の危機に立たされている。知人女性に対する強制わいせつ致傷の疑いで警察から取り調べを受けていることが「文春オンライン」で報じられた西武の山川穂高だ。
右ふくらはぎの張りで一時離脱していた山川は、5月2日から一軍復帰したが、報道の翌12日に登録抹消された。スポーツ紙デスクは渋い表情を浮かべる。
「女性が警察に被害届を出しているという事実が重い。山川は無理やり行為に及ぼうとしたことは否定していますが、ホテルに行って女性にケガを負わせたことは認めています。今シーズン中の復帰は厳しいでしょう。FAの目玉として注目されていましたが、それどころではない。『西武のユニフォームを着てプレーしている姿を見たくない』とSNS上で批判の声が殺到している。刑事事件として、山川が立件される事態に進展すれば、西武でプレーすることはファンの理解が得られない。今年限りで退団する可能性もあります」
山川は「西武の顔」だった。昨年は本塁打、打点の2冠に輝き、3度目の本塁打王を獲得。幼稚園から始めた書道は8段で、オフのイベントでは独学で習得したピアノの弾き語りを披露。野球以外にも多才であることで知られ、愛嬌がある性格で他球団のファンからも人気を集めていた。
野球に対しても真摯に向き合っていたという評価がある。本拠地・ベルーナドームで試合後は隣接する室内練習場で連日打ち込んでいた。西武を取材する記者も肩を落とす。
「山川は練習熱心ですよ。ああ見えてストイックで理論派。打撃技術の話を聞くと、熱弁して止まらない。同じ巨体のホームランアーティスト・中村剛也に憧れて打撃フォームを模倣した時期もあったが、『オレは中村さんにはなれん』と自分のスタイルを確立し、球界を代表するスラッガーになった。ああ見えて繊細で気持ちの浮き沈みが激しい。だから誰よりも練習して不安要素をつぶしたかったのでしょう。50本塁打を打てる選手だっただけに残念です」