結成16年以上の漫才師だけが出場資格を持つ新・漫才賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~」のグランプリファイナルが5月20日に放送される。開催するフジテレビでは、出場資格、ネタ時間、審査方法など、初めての大会だけに様々な検討を重ねていたという。番組のチーフプロデューサー・石川綾一氏と、総合演出・日置祐貴氏に尋ねた。(聞き手/ノンフィクションライター・中村計)【前後編の後編。前編から読む】
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──今、お笑いの賞レースを始めるとなると、参考にするかしないかは別にしてM-1グランプリの存在を意識せざるを得ないと思うのですが、その点はいかがでしたか。
日置:漫才そのものは変わらないので、見せ方ですよね。そこは3つの点で、大きく変えました。ひとつはネタ時間6分に延ばすこと。もう1つは1対1の対決方式にすること。そして、審査員をプロの漫才師ではなく一般のお客さんに任せることです。
──テレビの漫才でネタ時間を6分にするというのは、大きな挑戦ですよね。
日置:M-1だと4分、キングオブコントでも5分ですからね。ただ、出場者の方々は普段、劇場などでは10分から15分くらいは当たり前のようにやっているわけですから、少しでもそこに近づけたかった。若手なら持て余してしまうかもしれませんが、キャリアも十分な芸人さんたちばかりなので、そこは心配していませんでした。
石川:我々としては、もっと長くてもいいかなと思っていたぐらいなので。
──グランプリファイナルだけでなく、選考会、そして続く二回のノックアウトステージもネタ時間は6分でした。どういう風になるのかなと思っていたら、やはりM-1とは違ってどの組もすごく余裕を持ってやっていましたよね。
日置:入りのところで対戦相手やお客さんをいじって盛り上げる芸人さんがいるかと思えば、囲碁将棋さんのようにいきなりネタに入ってM-1のようなハイスピードで駆け抜ける組もいて。そこは入り方にバリエーションが出てきて、よかったのかなと思います。
──ベスト32以降、ノックアウトステージに入ってからの対戦形式もドラマがありました。
日置:そうですね。先輩後輩の対決になって、戦い終えたあと、涙を流す芸人さんもいたりして。
石川:試合が終わったあとの両者のやりとりというのも、新たな見どころになったと思います。負けたほうの芸人さんも、盛り上げてくれますからね。みなさんベテラン漫才師なので、競技のときは真剣そのものですが、勝負がついたらお客さんを楽しませる余裕もある。エンターテイナーだなと尊敬しています。