気温と湿度が高くなり、カビが繁殖しやすくなるこの季節。感染症やアレルギー反応の原因となるカビを、繁殖させないにはどうすればいいのか。
「カビを繁殖させないためには、栄養源となる“ほこり”を取り除くのが重要です」
とは、医療環境管理士の松本忠男さん(「」内以下同)だ。カビ対策というと、湿気の除去ばかりを考えがちだが、ほこりも取らないと意味がないという。
「カビの胞子はほこりに含まれていますから、これをためなければ、カビは減らせます」
そのためにやるべきは、換気と掃除。空気の流れを作ることで湿気が取れ、ほこりもたまりにくくなるからだ。
それでもカビが生えたらどうしたらいいのか。
「市販のカビ取り剤や塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)で落としましょう。まだ目に見えていないカビの胞子はアルコールを吹きかけた布で拭くだけでも効果があります。約60℃の熱でカビは死滅するので、布についたカビにはスチームアイロンの蒸気をあてるのもおすすめです」
スチーム後はしっかり乾かすことも大切だという。
さらに。リビングでのカビ対策を紹介する。
【エアコン(冷房)】フィルターにほこりをためない!
エアコンは、室内の空気を本体に取り入れ、機内で冷却してから風を送り出す仕組みだ。
「空気を冷やすときに結露ができるため、機内の湿度は高く、当然カビも増えやすくなっています。加えて、室内にほこりが多いと、エアコンはそのほこりを含んだ空気を取り込むことになるので、機内はカビのエサまで豊富な状態に。
空気中の汚れやほこりなど、体に有害な物質は基本的にフィルターに引っかかりますが、このフィルターを掃除しないでいるとカビの温床になり、エアコンを稼働させるたびにカビを含んだ冷気を部屋中にまき散らすことになるのです」(松本さん・以下同)
対策はやはり、換気と掃除だ。エアコンをつける前に窓を開けて換気をし、ほこりを含んだ室内の空気を追い出そう。
「部屋の広さにもよりますが、12畳のリビングで5〜10分くらい窓を開けておくと、部屋の空気が入れ替わります」
天気のいい日は外気を入れればいいが、梅雨に困るのが雨天時だ。この場合、除湿機とサーキュレーター(扇風機でも可)を活用し、空気を巡らせよう。
あわせて、空気中の汚れやほこりを取り除いてくれるフィルターは小まめに掃除すること。
「エアコンの内部が結露するのは冷房を使用した場合だけで、暖房や除湿機能を使っても結露はしません。とはいえ、フィルターにほこりはたまっているので、久しぶりに冷房を使い始める時期になったら、機内を念入りに掃除しましょう」
最近は自動のお掃除機能がついたエアコンもあるが、機械頼りにして安心せず、一度機内を開けて中にカビが生えていないか確認し、フィルターなどは水洗い&乾燥させることが大切だ。