結成16年以上の漫才師が集った新・漫才賞レース『THE SECOND』(フジテレビ系)のグランプリファイナルが終わった。結成25年目のコンビ・マシンガンズは決勝で惜しくも敗れ、準優勝に終わったが、今大会に懸ける思いを決戦直前にインタビューしていた。『笑い神 M-1、その純情と狂気』の著書があるノンフィクションライター・中村計氏がレポートする。
「漫才は月に1、2回」
破れかぶれに映った。
「内容で勝てないから声量で勝つしかないよ!」
マシンガンズの漫才はネタの導入部分で対戦相手を、審査員を務める客を、そして自分たちをとことん茶化す。
「今のところ、何点?」
「負けだな。楽しかったなー。勝てないと思うとリラックスできるな」
2月中旬にスタートした漫才コンテスト『THE SECOND』は異色の大会である。セカンド・チャンスを意味するという大会名の通り、出場者は結成16年以上の組に限られる。さらには、売れていないことも暗黙の条件と言える。
マシンガンズは結成25年になる48歳の西堀亮と、46歳の滝沢秀一のコンビだ。同大会のネタ時間は6分。テレビのネタ時間としては異例の長さだ。西堀はあっけらかんと言う。
「舞台から残り時間が確認できるんですけど、適当なことを言ってたら、あっという間に2分くらい経ってましたからね」
滝沢も「真面目にやってもしょうがないなと思ってね」とうそぶく。
「僕らのネタは時間が決まってない。時計が5分59秒になったら終わり。『ありがとうございました!』と言って帰ります」
マシンガンズのネタは、ある程度の脚本はあるが、ほとんどがアドリブだ。