4場所連続休場明けの横綱・照ノ富士の復活優勝はあるのか、10番勝てば大関昇進とされる関脇・霧馬山の夢は叶うのか、大関経験者で9場所ぶりの再入幕を果たした朝乃山は初優勝した4年前の5月場所の再現を見せられるのか──両国国技館で開催される5月場所は、“主役”と目される力士が序盤は順調に星を伸ばし、優勝争いは最終盤まで目が離せないことになりそうだ。そうしたなか、満員が続く会場には“注目の人物”も戻ってきている。
上位陣が安定した成績をキープする本来の土俵が戻ってきた一方、会場内の客席に戻ってきたのが、相撲ファンの間では毎日違う着物姿で声援を送ることで知られる「着物美人」である。最初に話題になったのは昨年11月の九州場所でのことで、向正面の控え行司のすぐ右隣にいる「溜席の着物美人」が15日間皆勤したことが、ネット上で注目を集めた。色鮮やかな着物が毎日替わるため、大相撲を完全中継するABEMAでも、この女性についての書き込みが相次いだ。
福岡で溜席に15日間、通い続けたこの女性は「東京在住で、長く角界に貢献されてきた方」(協会関係者)だといい、年明けに国技館で開催された1月場所では、向正面の溜席ではなく、力士が通る西花道に面したマス席の最前列にその姿があった。やはり、毎日違う着物姿で登場し、西支度部屋から土俵に向かう力士に拍手で送り出し、相撲を終えて花道を引き揚げる力士には身を乗り出して拍手を送っていた。
大阪で開催された3月場所では15日間、その姿を見ることはなかったが、東京に戻ってきた5月場所では初日から西花道に面したマス席に姿を見せている。ブルーの着物を着て、花道を通る力士に声援を送っているのだ。相撲協会の発表する観戦時の注意事項が変わったことにより、マスクを着用していないことを除けば、1月場所と同じ場所で同じような光景となっている。
2日目以降も、ベージュ、淡いブルー、シルバーと色彩豊かな着物で登場。NHKの大相撲中継でも客席に向けられたカメラでたびたびその姿が捉えられていたが、カラフルな着物姿は館内でも一際目立っている。
懸賞旗を持って西花道を行き来する呼び出しが立ち止まって着物美人と言葉を交わしたり、中入りの休憩時間には近くの観客が一緒に記念写真をお願いして快く応じる姿があるなど、国技館では「着物美人」はすっかり有名になっているようだ。