梅雨時になれば、さまざまな病気の原因となるカビが発生しやすくなる。カビを増やさないためにはどんなことをすればいいのか。キッチンや浴室など、“水回り”に関するカビ対策を紹介する。
【キッチン】食器は立てて収納し食器棚には詰めすぎない
キッチンは火を使う場所なので温度が高くなりがち。水気も多く、食べこぼしや食品といった栄養源も豊富なのでカビが生えやすい。なかでも食器棚は、押し入れ同様、扉を閉めると風通しが悪くなるので注意が必要だ。医療環境管理士の松本忠男さんはこう話す。
「水分や汚れが残ったままの食器を重ねて収納すると、カビが生えやすくなります」(「」内以下同)
それを防ぐためには、食器を縦にして収納するのがおすすめだという。
「縦置きできない場合は、密な状態を避けるため枚数を重ねず、しっかり汚れを取って、水気を拭き、食器棚に入れたら、しばらくは扉を開けて換気しておきましょう」
カップやボトル類は汚れが残りやすい裏側まで洗うこと。
キッチン全体の換気も必須。風の通り道を2か所つくるのがおすすめだという。たとえば、換気扇をつけて窓を開けるなどだ。窓も片側だけを開けるのではなく両側を5〜10cmずつ開けると、換気が早くしっかりできる。
【冷蔵庫】パッキンがカビの温床に。こまめに拭いて予防を
「カビは本来、土壌中に生息する微生物。ですから、土がついている野菜には、カビがたくさんいます。冷蔵庫に土つきのまま入れると、庫内はカビだらけになります」
特にパッキンの内側にカビが生えやすいという。
「冷蔵庫の扉の内側についているパッキンは常に冷気に触れていますが、扉を開けるとキッチンの温まった空気に一瞬触れます。このとき、温度差で結露ができるのです。ですから、キッチンペーパーなどでこまめにパッキンを拭く習慣をつけましょう。
日頃から冷蔵庫の開け閉めはなるべく回数を減らし、時間も短くするよう意識することも大切です」
これを習慣づけると、電気代の節約にもなり一石二鳥だ。また、庫内に温かい空気が入らないよう、ビニールカーテンをつけるのもおすすめだという。