晩婚化が進むとともに、40代、50代での出産が増えている昨今。53才1か月で女児を出産した美容家・上田実絵子さんの妊活生活は、通算12年にわたった。そもそも上田さんの妊活は、スタートが遅かった。というのも、結婚願望がなかったのだ。
「キャリアと家庭、その両立なんて40代初めのときは考えられなくて、選ぶとしてもキャリアをとっていました。でも、41才のとき仕事で訪れたドバイで、“子供は産まないの?”と聞かれ、私にも子供を産むという選択肢がまだあるんだと気づいたんです」(上田さん・以下同)
そして将来の妊娠に備えた方がいいと、すすめられるまま卵子を凍結保存したという。
「でもこのときは、あまり現実味がなかったんです。そういう可能性があるのならとりあえず、という感じでした。それに、排卵も月経も正常だったので本格的に子供がほしくなったら、自然妊娠できると思い込んでいたんです」
そのため、このときの卵子は保管契約を更新せず、46才のときに廃棄されてしまった。「妊活の敵は知識不足による思い込みです。46才で真剣に妊活に入ったとき、なぜあのときの若い卵子をとっておかなかったのかと後悔しました」
それでも保険を用意しておいた。46才で出会った彼(後の夫)と、将来の妊娠に備えて受精卵を凍結しておいたのだ。これが後に功を奏す。
やれることはなんでもやった!
「不妊治療では当初、タイミング法を試みたのですが、やはり自然妊娠はしませんでした。納得できる治療を求めて、海外で7か所の不妊専門クリニックを受診しました」
40代後半の妊娠は簡単ではない。受精卵が胚にならず、卵子の老化の現実を見せつけられたという。
「治療の過程で生まれた疑問はすべて医師に質問し、自分でも調べるようにしました。最新の論文も読み、体内年齢を若くすることにも注力しました。若返りのサプリメントがあると言われれば摂り、食事で腸内環境も改善しました」