マッチングアプリで知り合った就職活動中の女子大学生や、女性会社員らに睡眠作用のある薬物を飲ませて性的暴行を加えたとして、準強制性交等や住居侵入などの罪に問われているリクルートコミュニケーションズ元社員・丸田憲司朗被告。
5月15日の公判では10名の被害者のうち7名が意見陳述した。被害者秘匿の観点から、法廷では被害者たちの氏名は伏せられ、アルファベットで呼ばれている。彼女たちの陳述で明かされたのは、周りの人を悲しませたくないといった気持ちなどから、被害を家族や友人知人に明かしていない被害者が複数いたことだった。
「この先何年、何十年も忘れられず苦しむと思うと憂鬱です。いつも事件が脳裏によぎり、辛い気持ちになる。親や家族、恋人、結婚する人にも言えない。結婚も破談になるかも。それぐらい重大な秘密です。常に怯えていて、悔しくてたまらない。大切な人に『汚れててごめん、嘘ついてごめん』と罪悪感を感じながら生きる。誰にも言えず、隠して生きていくしかありません」(Bさん)
「家族には一生秘密にするつもりだったが事件の郵送物が届き、話さざるを得なくなった」というCさんは、被害を告げた母親が泣いたことから「謝ることしかできなかった」と語る。「父には言わない」と決めている。
また被害者は皆、気付かぬうちに丸田被告から飲食物に睡眠薬を入れられ、意識を失っている間に、被害に遭った。そのため強い恐怖を抱え続けていた。
「眠らされた後に、一方的に行為を行なわれてしまった。好きでもない人に、同意なくされたという苦痛、もしかしたら殺されていたかもしれないと大きな恐怖を感じています」(Eさん)
事件後に被害者たちは、丸田被告が撮影していた被害動画を確認しなければならなかったが、その過程で自身が膣内射精されていたことを知ったというBさんはこう語った。