「一度彼女と仕事をともにすると『またご一緒したい』と思ってしまうんです」──誰もがそう口にする女優がいる。主演もできれば脇役でも定評のある尾野真千子(41才)だ。2021年は4本の映画に出演、翌2022年は5本も公開、今年も6月に公開される『渇水』に出演と、まさに映画女優としての円熟味が増してきたともいえる。映画配給会社の関係者は彼女の魅力をこう分析する。
「たしかに、ここ数年の映画女優うとしてのブレイクぶりは凄い。特に2021年に公開された4年ぶりの単独主演映画『茜色に焼かれる』では、風俗に務めるシングルマザーを好演しています。業界内外でその体当たり演技が大きく評価されました。また、同作では大胆に衣服を脱いで絡むシーンがあるのですが、監督に『私の乳首どうや?』と自ら確認するほど、濡れ場でもあっけらかんとしているそうです(笑い)。
そんな竹を割ったような性格と関西ノリがスタッフの間でも親しみを覚える人が多く、一度仕事した人は『また一緒に』となるし、まだの人でも、『今度はオノマチさんと仕事がしたい』となるようです。今後もしばらく引く手あまたなのは間違いないと思いますよ」
高い演技力と持ち前の“男前気質”で、観客やスタッフをも虜にしている尾野。そんな彼女のデビュー秘話もまた、制作陣からの熱いラブコールだった。
「奈良県にある西吉野村にロケハンのため訪れていた映画監督の河瀨直美さんが、地元の中学校で下駄箱の掃除をしている14歳の尾野さんを発見。そのまま声をかけて映画『萌の朱雀』の主演に抜擢したんです。その作品で河瀨さんはカンヌ国際映画祭の新人監督賞を最年少で受賞し、話題となりました」(芸能関係者)
シンデレラストーリーのような展開で銀幕デビューした尾野は、高校卒業後に上京して徐々に頭角を現し、20代後半でNHK朝の連続ドラマ小説『カーネーション』の主演をオーディションで勝ち取り、大ブレイク。30代になるとドラマ『最高の離婚』や『極悪がんぼ』で、ゴールデン帯連続ドラマの主演クラスにまで上り詰めた。
「映画にも毎年のように出演し続け、『ヤ―チャイカ』(2008年)や『真幸くあらば』(2010年)といった作品ではフルヌードも披露しています。特に『真幸くあらば』では物語の終盤で見せるとても美しい自慰シーンを演じる際、演技に集中するために前貼りをつけずに撮影に臨んだというのがオノマチ伝説として語り草となっています。
過去に彼女は『見てくれた人に“あの役、尾野真千子っぽいね”と言われたら終わりだと思っています』と語っていますが、それだけ役になり切ることに集中している。業界では『あの人は躊躇なく脱げるから』と評されていますが、その役に必要なことならば臆することがないのでしょう。現在では稀有な俳優さんです」(前出・映画配給会社関係者)