「野球で取り返せばいい」という考え方が通用しない時代になっている中で、球団はどんな処分を下すのか──。5月23日、西武の山川穂高(31)が知人女性に対し、性的暴行を加えた疑いで書類送検された。任意の事情聴取に山川は「合意があった」と容疑を否認しているという。今回の書類送検は起訴を求める「厳重処分」ではなく、検察に判断を委ねる「相当処分」の意見が付けられていると報じられている。
「起訴されて有罪になれば確実に解雇でしょうが、不起訴になればクビは切りづらいというのが本音でしょう。その中で、球団はどんな処分を下すのか。今後、『第二の山川』が出ないようにするためには厳しい措置が求められる。今回の西武の処分は、これからの球界のあり方を問うものになると思います」(球界関係者)
山川は侍ジャパンメンバーとしてWBC世界一に貢献し、過去にはホームラン王を3度獲得している。解雇処分にしても出場停止処分にしても、西武は戦力的に大きなマイナスになることは間違いない。
「世間の目がコンプライアンスに厳しくなっており、寛大な処分を下すわけにはいかないでしょう。山川の反省度合いにもよりますが、たとえ不起訴だろうと、解雇の可能性もゼロではないと思います」(野球担当ベテラン記者)
書類送検をされていない清田が解雇されている
実際、2年前には女性問題などを理由に解雇された主力選手もいた。ロッテが清田育宏(当時35)の2度にわたる球団のルールを無視した行動を問題視し、2021年5月に契約を解除している。
「清田はWBCにこそ出場していないですが、侍ジャパンメンバーに選ばれたこともある実績のある選手。ベテランになっていましたし、山川ほどではないですが、一軍の貴重な戦力でした。しかし、2020年に新型コロナウイルス対策の球団指針を破り、不倫相手の女性と連日会食しては不貞行為をしていた。
ロッテは各選手に『日々の行動記録の報告』を義務付けていたが、清田は隠蔽した上に虚偽の報告をしていた。この一連の出来事を、翌2021年1月に『FRIDAY』にスクープされ、『無期限謹慎』になった。しかし、謹慎が解除されたばかりの年の5月に同じ女性との密会現場を『FRIDAY』にまた撮られた。
業を煮やしたロッテは『度重なる不適切な行動及びチームに対する背信行為に鑑み』解雇しました。清田は2015年にも不倫が発覚していました。積み重ねも大きかったのかもしれません」(前出・ベテラン記者)
当時、清田の解雇について「仕方ない」という見方もあれば、「厳しい」という意見もあった。
「書類送検されていない清田がクビを切られた訳ですから、山川は解雇で当然という声は上がるでしょう。日本には“前例主義”のようなものがあって、どんなことも前例を元に判断されがちです。ただ、法律的な問題もありますし、不起訴になった場合、西武は本当に難しい判断を迫られます」(前出・ベテラン記者)