『ぽかぽか』番組立ち上げの経緯について語る鈴木氏

インタビューに応じる『ぽかぽか』総合演出の鈴木善貴氏

成功のキーワードは「F2層が爆笑」「初見の人でもわかる」「観る時に感情移入できる」

 番組開始後4ヶ月が経ち「ハライチ岩井の世界一かわいいネコちゃん連れてきて」や「暇王」、「ポカジノ」、「赤ちゃんハイハイレース」、「お母さん大好き党」、「甦れ!マイメモリー」、「新家電プロレス」など次々と人気コーナーが生まれている。

「企画を作るときに難しいのは、生で観てくれている人もいれば、TVerで観てくれる人もいますから、どこに向けるのか、ですよね。今はライフスタイルも変わってお昼に家にいる人も変わってきてますから。それでも僕らとしては『F2層(35~49歳の女性)が爆笑』『初見の人でもわかる』『観る時に感情移入できる』という3つのキーワードを目指して作っています。

『お母さん大好き党』とか、ゆーびーむ☆さんのプロポーズ企画(『逆1回目のプロポーズ』)ではADさんや観覧のお客さんが泣いたりもしていましたから。あと松本薫さんや登坂絵莉さんの賞金総取り企画も感情移入できた企画だったと思いますね。配信もあるからより若者向けにつくるべきだという意見もあるんですけど、そこはブレずにやっていきたいと思います」

 当初の予定通り、放送時間は4月から1時間短縮され2時間になった。編集やVTRチェックも少なくなり「口内炎が減った」と、まだ残っている口内炎をかばいながら鈴木は笑う。最近では反省会も5分程度だという。「なにかをミスしてもその人が一番わかってるし、その場で言うので、注意は1回まで」と。

「始まったばかりなのでまだまだ認知されていない部分もいっぱいあると思いますので、試行錯誤しているんですけど、3月までは数字はまったく気にせずにやってきました。本当にスタッフも少数でやっているんで、3時間でひいひい言ってたんですけど、もうみんな勝手もわかってきて雛形もできてきたし、2時間にもなったので、1個1個のクオリティをあげていきたいと思います」

(了。前編から読む/文中一部敬称略)

【プロフィール】鈴木善貴(すずき・よしたか)/『ぽかぽか』総合演出。2003年にフジテレビジョン入社後、『トリビアの泉』、『お台場明石城』、『キャンパスナイトフジ』、『アウト×デラックス』などを担当。

◆取材・文 てれびのスキマ/1978年生まれ。ライター。戸部田誠の名義での著書に『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『タモリ学』(イーストプレス)、『芸能界誕生』(新潮新書)、『史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記1980-1989』(双葉社)など。

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