二刀流の“ユニコーン”と呼ばれる大谷翔平(28)。その活躍ぶりは連日報じられているが、ダグアウト裏や私生活で見せる顔はなかなか日本に届かない。米カリフォルニア州アナハイムにあるエンゼルスの本拠地・エンゼルスタジアムに赴くと、フィル・ネビン監督が大谷の意外な素顔を明かしてくれた。ノンフィクションライターの水谷竹秀氏による独占現地レポートである。
* * *
フィル・ネビン監督(52)は昨年のシーズン途中にジョー・マドン監督の解任に伴い、エンゼルスの監督代行に就任。今年から正式に監督に就任し、低迷するチームの再建を託された。選手の兄貴分のような存在で、選手が待機するクラブハウスでは選手全員とコミュニケーションを取ることを心がけているという。
5月23日の試合前、インタビューに応じたネビン監督に、大谷とふだんどんな会話をしているのか聞くと、若き指揮官は穏やかな口調で語った。
「投手の日なのかそうでないのかによっても異なるし、おそらく、すべての会話内容をあなたに言うことはできないよ(笑)。私はクラブハウスをゆったり、そして明るい雰囲気の場所に保ちたいんだ。だから冗談も言うし、今日あったことやこれからのことを話す」
3番DHでの出場となったこの日、大谷とは何を話したのか。
「翔平がご飯を食べている時に十分に休みを取れているのかについて話をした。休みの日がほしいかどうか尋ねたところ、『必要ない』とのことだった。素晴らしい人間性を持ち、多くのアメリカならではの言い回しを覚えた。彼は自分のやり方で、周りのチームメイトを面白がらせているよ。そして言語の学び方をわかっている。彼はチームメイトとふざけ合うのが好きなんだ。だからチームでもリーダーの1人だよ」
ネビン監督と大谷は良好な関係で知られている。Number Web(4月29日)によれば、ネビン監督が三塁コーチだった昨年4月、ベンチにいた大谷にファウルボールが当たりそうになった時、ネビン監督が「ファウルボールは一番不細工なやつのところにいく」と言うと、その後ネビン監督のほうにファウルボールが。大谷は「あなたの言ったことは本当でしたね」と英語のジョークで返し、盛り上がったことがあったという。