永田町が解散・総選挙をにらんで浮き足立ってきた。自民党内からは「サミットの勢いのまま選挙に持ち込むべきだ」との声が高まり、野党側も「岸田さんにとって今は有利な状況。解散はあり得る」(岡田克也・立憲民主党幹事長)と応戦の構えだ。だが、総選挙で「台風の目」になるのは間違いなく日本維新の会だ。
維新は4月に奈良県知事選と衆院和歌山補選で自民党に勝利し、統一地方選で全国に多くの議員を当選させて自民党と政権を争う基盤をつくった。では、維新が政権を取った時、何が始まり、政治はどう変わるのか。そこで本誌・週刊ポストは、元東京・中日新聞論説副主幹で維新に食い込むジャーナリストの長谷川幸洋氏や維新ウォッチャーとして知られるジャーナリスト・須田慎一郎氏の協力で、維新内閣の閣僚名簿を予測した。
首相には日本維新の会代表の馬場伸幸氏、副総理兼無任所大臣には吉村洋文・大阪府知事、官房長官には松井一郎・前大阪府知事、財務大臣には橋下徹氏、外務大臣には鈴木宗男氏と、有名どころの名前があがっている、維新の“閣僚名簿”。一方で維新には、まだ知名度は低いが、大臣として腕を振るうことが期待される人物は多いという。
総務大臣には小野泰輔・代議士を抜擢。衆院当選1回ながら、東大のゼミの恩師だった計量政治学者の蒲島郁夫氏の熊本県知事選挙を手伝い、38歳で同県副知事に就任した。8年の副知事時代に熊本地震からの復興を手がけるなど地方行政の第一線を担った。長谷川氏が語る。
「副知事として地方行政の現場を知っている。総務大臣にふさわしい」
経産大臣に挙げられているのは足立康史・代議士。元経産官僚だが過激発言で物議を醸してきた。須田氏が語る。
「維新きってのトリックスター。大臣ポストに就けるには危うい面もあるが、政策立案能力は党内随一と見ている。大化けの可能性も」
厚生労働大臣候補は2人。石井苗子・参院議員と、梅村聡・参院議員だ。石井氏は上智大学卒業後、女優業などの傍ら聖路加看護大学に学士入学、その後、東大大学院で保健学の博士号取得。現在も都内の心療内科でカウンセラーを務めている。
「梅村氏は現役の医師で、党のコロナ対策本部長を務め、手堅い仕事ぶりに評価が高い」(須田氏)