医療の進歩によって、様々な疾患が“治る病気”になりつつある。その際に鍵を握るのが、“医師の選択”だ。そこで本誌・週刊ポストは著名な現役医師に取材し、「自分が患者なら診てもらいたい医師」を聞いた。
慢性的な痛みに悩まされる腰や膝など「整形外科」の名医は誰か。まず、脊柱管狭窄症の権威として多くの医師が推薦するのが徳島大学病院の西良浩一医師だ。患者負担の少ない内視鏡による手術法を世界に先駆けて確立してきた。その西良医師はこう語る。
「五十肩など肩の障害では東京スポーツ&整形外科クリニックの菅谷啓之医師が最小侵襲関節鏡を駆使する術式とリハビリに造詣が深い。外反母趾や扁平足など足関節の疾患では、最小侵襲足関節鏡の日本随一の名医である早稲田大学スポーツ科学学術院教授の熊井司医師がよく知られていますね」
そう語る西良医師と肩の専門家・菅谷医師はトップアスリートの治療を通じて親交が深い。菅谷医師が明かす。
「西良先生の凄さは高いレベルで早期復帰させる必要があるアスリートを任せられる点。腰の悩みがあるアスリートを10年以上前から紹介しています。逆に西良先生から肩や肘の悩みを持つ選手を紹介されることもある」
足の専門家である熊井医師は、早稲田大学で研究する傍ら医療機関で外来も担当している。
「私はスポーツ整形外科が専門で、アスリートの早期復帰を目指した低侵襲の足の外科治療に力を入れています。一方、外反母趾手術や足関節鏡視下手術は医療機関の一般外来でも行なっています」(熊井医師)
どの医師が治療するかによってその後の人生は変わりかねない。信頼できる医師に出会いたい。
※週刊ポスト2023年6月9・16日号