二刀流の“ユニコーン”と呼ばれる大谷翔平(28)。米カリフォルニア州アナハイムにあるエンゼルスの本拠地・エンゼルスタジアムに赴くと、チームメイトが大谷の意外な素顔を明かしてくれた。ノンフィクションライターの水谷竹秀氏による独占現地レポートである。
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大谷がエンゼルスに入団した2018年にメジャーデビューしたテイラー・ウォード(29)は、昨季ブレークしたエンゼルス一筋の「苦労人」だ。今年は1番打者としてレギュラー争いをしているが、ウォードも大谷の“イタズラ”の標的になるという。
「彼はフレンドリーで、おおらかなところもある。毎日笑顔を絶やさず、話しかけやすい人間だ。彼が成し遂げたことすべてがすごいのに、だよ。翔平は最近、ランダムに僕のあごひげを触ってくるんだ。じゃれ合ったりふざけ合ったりする感じで」
大谷がチームに溶け込める理由について、ウォードは大谷が「ポジティブ」であることが大きいという。
「常に自分がいる環境を受け入れ、その環境のなかでポジティブに、そして成長しようとしている。エンゼルスでも、チームメイトの一員になりたがっているのがわかる。
彼がエンゼルスと契約した2018年の時と比べると、英語もかなり上達している。最初は(通訳の)水原一平が常に必要だった。でも今は上達してる。翔平は明らかにスマートだよ」
2021年にMVPを獲得し名実ともにトッププレイヤーになった大谷だが、入団してから2年間は、思うような成績を残せなかった。5年間ともにプレーしてきたウォードは、知られざる大谷の一面を見てきたことだろう。
「(大谷が)少しナーバスになる時もあったね。自分がチームに対してやるべきことができていなかった時に、自分に不満を漏らしていた。でも、そんな時はとても珍しい。彼は常に幸せで、笑っていて、冗談を言うような感じなんだ」
取材/水谷竹秀(ノンフィクションライター)
※週刊ポスト2023年6月9・16日号