5月31日に大相撲7月場所の番付編成会議と臨時理事会が開催され、モンゴル出身で陸奥部屋所属の関脇・霧馬山の大関昇進が全会一致で決定となった。霧馬山の会見では、師匠の陸奥親方(元大関・霧島)の四股名を継承し、来場所から「霧島」に改名することが発表された。この昇進により、今年1月場所から続いていた「1横綱1大関」という125年ぶりとなる番付の異常事態が解消され、来場所は「1横綱2大関」となる。
また、来場所以降にさらに新大関の誕生が続く展開もありそうだ。相撲担当記者が解説する。
「来場所は3関脇2小結の番付となることが予想されるが、5月場所で2ケタ勝利を挙げた3関脇による『トリプル大関獲り』の場所になると佐渡ヶ嶽審判部長(元関脇・琴ノ若)が明言しています。昇進の目安は直前3場所の成績が33勝とされ、3人の関脇はいずれもその水準のクリアが射程圏内。来場所は豊昇龍(立浪部屋=直前2場所21勝)が12勝、大栄翔(追手風部屋=同22勝)が11勝、若元春(荒汐部屋=同21勝)が12勝で、それぞれ33勝ラインに到達する。来場所も新大関が誕生する可能性があるわけです」
5月場所で大関昇進を決めた霧馬山は、1月場所が11勝4敗、3月場所は12勝3敗で優勝していた。5月場所は10勝以上で33勝に届く状況があり、結果的に12日目の大関・貴景勝戦で白星をあげて10勝に到達。早々に大関昇進を確実としていた。相撲ジャーナリストは霧馬山の相撲内容についてこう言う。
「12日目に大関昇進を確実にする10勝目を挙げた霧馬山はそれ以降、北青鵬、照ノ富士、豊昇龍という同じモンゴル出身の3人と対戦したが、最後の2日は連敗している。14日目の照ノ富士戦は1分を超える相撲となったが霧馬山が敗れ、千秋楽を待たずに照ノ富士の復活優勝が決まった。千秋楽は豊昇龍に立ち合いからもろ差しを許すと、土俵中央での豪快な下手投げに敗れている。この白星で豊昇龍は来場所の大関獲りに望みをつないだ格好だが、場所後の大関昇進に花を添えるためにも霧馬山にはもう少し粘りや気力を見せてもらいたかった一番だ」