二刀流・大谷翔平(28)の活躍ぶりは連日報じられているが、ダグアウト裏や私生活で見せる顔はなかなか日本に届かない。米カリフォルニア州アナハイムにあるエンゼルスの本拠地・エンゼルスタジアムに赴くと、チームメイトが大谷の意外な素顔を明かしてくれた。ノンフィクションライターの水谷竹秀氏による独占現地レポートである。
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大谷とバッテリーを組む女房役がチャド・ウォラック(31)だ。開幕から正捕手に抜擢された新人捕手が4月中旬に負傷して今季絶望になったことを受け、3Aから昇格。4月21日の試合では大谷と今シーズン初バッテリーを組み、7回11奪三振無失点の快投を引き出した。
大谷は21日の試合後の取材で、ウォラックについて「素晴らしかったですね。コーナーのボールもしっかりフレーミングして助けてくれた」と絶賛した。頼れる新たな相棒に大谷について聞くと、声を弾ませた。
「彼のような凄い投手の球を毎日捕れるわけではないので、(バッテリーを組むのは)とても楽しい。彼は練習に向けての態度が素晴らしいんだ。
試合中は、ゲームをどのように組み立てるのかなどについて話す。英語が母国語ではないのに僕たちはよく会話できている。試合のピッチングについて振り返る時や、『元気かい』と声をかけるような簡単な会話の時も英語だよ」
ウォラックも大谷がいたずら好きであることを、笑顔で認める。
「とても面白いやつだよ。ダグアウトやクラブハウスでは冗談を言いまくっている。彼がそうすることで雰囲気が良くなる。いたずらっ子で、肩を叩く時に叩いている肩とは別の方向を見るような仕草で『こっちだよ』ととぼけたりね」
賞賛の言葉が並ぶなか、「大谷に弱点はあるのか」と聞くと、こう答えた。
「特にないねえ。彼はどこのポジションでもできるような気がする。弱点を感じたことはないよ」
取材/水谷竹秀(ノンフィクションライター)
※週刊ポスト2023年6月9・16日号