国内

日本人のエネルギー源となる「米」 健康的なダイエットのためには「少量でも米を食べ、ほかのカロリーを減らすべき」の意見も

澁谷さん

澁谷さんは、全国各地の米作りの現場を300か所以上回っている

「みずみずしい稲穂の実る国」として、「瑞穂の国」と呼ばれてきた日本では、古来から米が主食となってきた。水田には、水をためることでダムのように洪水や土砂崩れを防止する働きや、地下水を浄化して環境や生態系を維持するなど、多くの役割がある。しかし米作りを続け、水田を絶やさないことが私たちの生活にとって大切なのは、災害から国土を守ってくれるからというだけではない。健康面でこそ、米が果たす役割は大きい。

「日本人は米によって育てられた民族です」

 そう語るのは、東京農業大学名誉教授で農学博士の小泉武夫さん。

「日本人の免疫力を支えてきたのは2000年以上食べ続けてきた和食です。和食に豊富に含まれているミネラルは、副腎髄質というところから分泌されるアドレナリンという興奮ホルモンの働きのバランスを整え、ストレスを軽減する作用がある。

 一般的には『一汁三菜』といわれますが、和食の真髄は『一汁一菜』。つまり、米とみそ汁と漬けもので和食は成立します。炭水化物=米、たんぱく質=みそ(大豆)、そして発酵食品=漬けものが日本人を健康にしてきた。

 なかでも米は、縄文時代の中期から晩期にかけて作られていたとの考古学的な証拠があります。長い食の歴史のなかで日本人はエネルギー源として米を食べ続けてきた。私たちは米に育てられた民族で、日本人の体にいちばん合っている食べ物なのです」(小泉さん・以下同)

 米には以下の「10の効果」があると小泉さんは語る。

(1)血行を改善して肌をつややかにする、
(2)気力を健やかにする、
(3)寿命を保つ、
(4)心身を安らげる、
(5)口内をさわやかにして弁舌をよくする、
(6)消化をよくする、
(7)風邪を防ぐ、
(8)飢えを防ぐ、
(9)渇きを消す、
(10)便通を整える。

 体にとって“最強の健康食”といえる米だが、前述の通り現代の日本人は米を食べなくなっている。

「欧米食の普及で、長い歴史のなかで日本人を育ててきた米が食べられなくなったのは残念なことです。そのことにより、日本人の生活習慣病が増えているという指摘もあります」

 医学的見地からも日本人の胃の形は欧米人と比べ、食べ物を長時間ため込む形になっていて穀物や食物繊維をどろどろに消化し栄養を取り込みやすいと分析されている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン