◆人気者だった”ありさ”さん
辰島さんは「防犯カメラの映像や目撃情報から、この雑居ビルの中で殺害された」(全国紙社会部記者)と見られている。こうした「このビルならではの“特徴”」を知っていたとしか思えない犯行のため、警察の捜査も当初からこのビルに関係のある人物を中心に行なわれていたようだ。この雑居ビルに住む住民が語る。
「月に1回、2基のエレベーターの点検に男性2人が来ていましたね、直近は事件1週間前。どちらも40代くらいでした。いつも朝の9~10時くらいに点検していました。私も警察に聴取を受けたのですが、手を出すように言われてケガがないか入念に確認されました」
死亡した従業員が事件に関与していたかどうかは捜査を待つしかない状況だ。しかし、もし仮にこの従業員が犯人だったとすれば、事件の真相解明も難しくなる。辰島さんの高校時代の友人の1人はこう悲しみの声を上げる。
「高校時代は“ありさ”“ありしゃ”と呼ばれていました。綺麗なのに、どんな人にも分け隔てなく接するタイプで男女双方から人気がありました。一度結婚して熊本を離れていましたが、最近また戻ってきていて、『またイチから頑張る』『仕事のスキルを身につけたい』なんて言っていたんです……他の友達とも『ありさも交えて、また仲良かった友達で会おう』なんて話をしていたんです。まさかこんなことになるとは……ありさが何をしたって言うんですか、返してください……」
現場の雑居ビルにはいまも献花に訪れる人が絶えない。