「この30年近く、ふたりでいっしょに多くのことを経験し、お互いに助け合って、喜びや悲しみなどを分かち合いながら歩んでまいりました」(2023年、天皇陛下お誕生日に際して)と、結婚生活を振り返られた天皇陛下。お互いに支え合いながら歩まれた30年の軌跡を、振り返ります。
●1993年6月 約19万人が沿道から祝福したご成婚パレード
「雅子さんのことは、ぼくが一生全力でお守りしますから」というプロポーズの言葉が雅子さまの心を動かし、1993年6月9日、晴れて「結婚の儀」が執り行われた。お妃教育でいちばん比重が置かれたのは和歌。先生を務めた岡野弘彦さんは、当時の本誌『女性セブン』の取材で「最初は5・7・5・7・7と指折りながら歌をつくっていただいた」と秘話を明かした。
●1993年6月
「結婚の儀」とパレードを無事に終えられて、東宮仮御所にご到着。安堵されたご様子で言葉を交わされるお姿からは、新婚らしい雰囲気が漂う。
●1993年8月
ご結婚直後の8月には、全国農業青年交換大会のために滋賀県を訪問された。1994年におふたりそろって初めての歌会始でお詠みになった歌は、このときに宿泊された彦根プリンスホテル(現・彦根ビューホテル)からご覧になられた琵琶湖の情景をお詠みになったもの。湖を眺めながら語らいのときをもたれたのであろう。新婚のおふたりの初々しく、仲睦まじい姿が思い浮かぶ。
●1994年11月
中東4か国を訪れた、結婚後初の外国訪問。オマーンでは17世紀に建てられたニズワ城の展望台で、シャッターチャンスとばかりにカメラを構える雅子さまのお姿が。
●1998年2月
長野オリンピックで、スキージャンプノーマルヒルをご観戦。雅子さまは白をベースに赤を差し色にした、“日の丸”カラーのウインタールックで熱心に応援されていた。
●2001年12月
ご結婚から8年。流産という深い悲しみを乗り越えて、2001年12月に愛子さまが誕生された。2002年の歌会始で雅子さまが詠まれた歌からは、お生まれになったばかりの愛子さまとともに新春を迎える溢れんばかりの喜びが伝わってくる。
●2002年11月
まもなく1才を迎える愛子さまをベビーカーに乗せて、色鮮やかに紅葉した神宮外苑の銀杏並木を散策された。翌年の歌会始で雅子さまは、このときに愛子さまが街で出会った人々に笑顔で応じる様子をお詠みになられた。
●2002年12月
ニュージーランドの国際南極センターを訪問した際、愛子さまへのお土産としてプレゼントされたぬいぐるみ。ほほを寄せて少女のような表情を見せた雅子さま。