打席に立てばホームランを放ち、マウンドに上がれば160キロを連発する。「プロ野球を舐めている」とまで批判された前代未聞の大チャレンジは、確実に成功へと近づいている。雑音を黙らせた結果の裏で、彼は想像を超える犠牲を払っていた。
大谷翔平(28才)が高校卒業後、憧れのメジャー挑戦を諦めてまで「二刀流」を選んだのは、「誰もやったことのない新しいことにチャレンジしたい」という考えがあったからだ。だがその選択により、若き日の大谷は、けがに泣かされた期間も長かった。
「投手と打者では、体の動きや必要な筋肉、トレーニング内容など、何から何まで違います。単純に考えて投手と打者の2人分の練習や調整が必要だし、体への負担も普通の選手の2倍かかる。当然、故障のリスクも高まります。実際、日本での最終年である2017年には右足首を痛めてWBC出場を辞退しており、シーズン中も左足の肉離れで、2か月間試合に出ることができませんでした」(スポーツ紙記者)
メジャー移籍後もけがとの闘いだった。ルーキーイヤーの2018年には、シーズン終盤に右ひじ靭帯の損傷が判明して手術をした。翌2019年は打者に専念するも9月に左ひざを手術。2020年も8月に右腕の筋肉の損傷が見つかった。
「メジャーは日本よりも試合数が多く、1日に2回試合をしたり、10日以上連戦が続くこともあります。アメリカ全土に遠征するので、移動距離も日本よりはるかに長い。そのため、ただでさえ体力の回復が難しいとされています。
大谷選手は二刀流ですから、投手として先発した翌日も打者として試合に出なければならない。その負担たるや想像もつきませんし、長い目で見たときにどれほど影響があるか、不透明な面もあります。考えようによっては、“将来の選手生命”を捧げているとも言える」(スポーツ紙記者)
大谷は試合とトレーニング以外の時間は、ほぼ休養に充てている。外食や夜遊びもほとんどしないといわれている。今年4月に遠征先のニューヨークで囲み取材に応じた際、お気に入りの場所を聞かれて「一回も(ホテルの外に)出たことがないのでわからないです」と答えたほどだ。
「いまや世界中の女性を虜にする大谷選手ですが、恋人の存在が明らかになったことはまだありません。女性アナウンサーやアスリートとの交際が報じられたことはありましたが、どれも噂レベル。二刀流を実践するためには“色恋にうつつを抜かす余裕はない”というのが実際のところでしょう。シーズンオフに帰国した際も、自宅とトレーニングジムを行き来するだけのストイックな生活を送っています」(前出・スポーツ紙記者)