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窓際社員から起業へ…人生を変えた「朝活」 早起きトレーナーが語る「朝30分」の威力

東京・築地本願寺の朝活イベント。月に1回、朝のお勤めの後、僧侶とともに参拝者がお堂内の清掃に参加している(C)築地本願寺

東京・築地本願寺の朝活イベント。月に1回、朝のお勤めの後、僧侶とともに参拝者がお堂内の清掃に参加している(C)築地本願寺

 朝早い時間帯に積極的に行動する「朝活」。その言葉も定着し、話題を集める中、企業でも、朝の働き方を見直す動きが高まっている。こうした企業の要請を受け、朝時間の業務指導を行っているのが、早起きトレーナーの池田千恵さんだ。いまでこそ、「朝活の第一人者」と呼ばれる活躍ぶりだが、その裏にはOL時代の苦い体験があったという。

「初就職先の企業で、20代にして窓際社員になってしまったのです」(池田さん・以下同)

 やる気は人一倍あるが、頑張りが空回りしてしまう。あるとき、上司から「ぼくが言ったことを一字一句書き出しなさい!」と課題を出された。

「ところが、夜にやると嫌な気分が募り、『こんな会社辞めてやる!』と、会社への不満が膨らむばかり。寝床に入っても、上司の顔が浮かび、また怒りが湧いてくる(笑い)。当然、事態が好転するわけもなく、『これではダメだ』と思いました」

 そこで思い出したのが、池田さんが大学受験をしていたとき、早朝勉強に切り替えることで、見事第一志望の大学に合格したという成功体験だった。

夜のクヨクヨより朝のクヨクヨ

 それをきっかけに、池田さんは夜にしていた作業を朝にするようにしたという。

「始業30分前に、会社の前のファミリーレストランに入り、言われた通りに書き出してみました。すると、不思議と感情を抜きに、淡々と綴ることができる。そして、『上司の言っていたことはもっともだった!』と理解できたんです」

 ファミレスでの“朝30分の振り返り”を続けるうち、自分の改善点が次々と見えた。さらに続けていくと、徐々に仕事での評価もアップ。自分に自信がつき、さらなるやりがいを求めて外資系コンサルティング会社へ転職した。

「転職後も朝活は続行。今度は、趣味のワインやチーズ、パンづくりの勉強に充て、ワインエキスパートやチーズプロフェッショナルほか複数の資格を取りました。

 本業も順調でしたが、資格を活用したいと思い、会社の許可を得て週末にパン教室を開講。こちらも軌道に乗りました」

 一念発起、朝活によって自分を変えていった池田さんは、2009年、起業を果たす。

「早起きがなければ、『自分なんて価値がない』と、くすぶったままだったかもしれません。

 早起きは、私の中で前向きになれるスイッチとして機能しています。落ち込んだり、うまくいかなかったりした日はさっさと寝て、『明日になったら生まれ変わる』と新たな気持ちで一日を始める。この生活を繰り返すうちに、いろいろなことが好転していきました」

 池田さんが周りの人によく言うのは、「夜のクヨクヨより朝のクヨクヨ」だ。

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