近年の高校野球界で常に注目を集め続けるのが、春4回、夏5回の甲子園制覇を誇る大阪桐蔭だ。毎年豊富な戦力が揃うチームを率いる西谷浩一監督は歴代2位の甲子園通算67勝の名将である。今夏の甲子園に向けてもその戦いぶりが注目されるが、夏の地方大会を控え、「緊急事態」が発生しているようだ。
* * *
長く高校野球界をリードする大阪桐蔭にいったい何が起きているのか――。
大阪桐蔭はこの春、大阪大会の決勝・金光大阪戦、近畿大会1回戦の智弁学園(奈良)戦と、公式戦2連敗を喫した。大阪大会における連勝記録が「56」でストップしただけでなく、公式戦での連敗も90試合ぶりのことだった。さらに愛知の享栄学園による招待試合でも2連敗。ケガとされる大黒柱の前田悠伍を欠き、猛打で知られる打線も思うようにつながらないタイムリー欠乏症に陥っていた。
さらに緊急事態は続いている。6月10日から2日間にわたって富山県のアルペンスタジアムで行われた富山県高野連主催の招待試合には、前田が再びベンチを外れるだけでなく、昨秋の明治神宮大会の優勝メンバーや今春の選抜に出場した選手が数多く不参加だったのだ。
まずは今春の選抜のスタメンと、今回の招待試合のスタメンを比べてみたい。
【3月20日 選抜2回戦 敦賀気比戦】
1 山田太成 左
2 村本勇海 二
3 徳丸快晴 右 ☆
4 南川幸輝 捕
5 佐藤夢樹 一
6 長澤元 中
7 岸本真生 三
8 小川大地 遊
9 前田悠伍 投
【6月10日 招待試合 富山第一戦】
1 笹井知哉 一
2 吉田翔輝 中 ☆
3 南川幸輝 捕
4 ラマル・ギービン・ラタナヤケ 三 ☆
5 八瀬山大悟 右
6 小川大地 遊
7 薮本一輝 左
8 村本勇海 二
9 境亮陽 投 ☆
☆マークは2年生