警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、このところ続いた暴力団関係者が被害に遭う事件から鮮明になったヤクザ稼業の特殊性について。
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6月に入り、LINEに2本の動画が暴力団関係者から送られてきた。2023年4月22日、兵庫県神戸市のラーメン店で、六代目山口組3次団体である湊興行の余嶋学組長が射殺された時のものだという。
1本は黒の長袖シャツに黒のズボン、黒の帽子をかぶった男がビルのドアから入っていく映像だ。映し出された角度から、店のドア前に設置された防犯カメラの記録だとわかる。すぐに中から「ドンドン」という音がしてドアが開くと、先ほどの男が何事もなかったかのように落ち着いた様子で出て行った。黒のメガネをかけ、右耳辺りにはイヤホンらしきものが垂れ下がっていた。その間、わずか40秒ほどだ。
もう1本はその20分ほど後とされる映像で、消防隊員が黒の半そでシャツの男性を店の前に用意したストレッチャーに乗せ、搬送する時のものだ。ぐったりした男性は、消防隊員に心臓マッサージされるが反応はない。こちらは30秒弱の映像だ。どちらもNEWSポストセブン「【心臓マッサージの場面も】六代目山口組ラーメン店組長射殺 事件直後のヒットマン映像が出回る」で、詳しい様子が報じられている。
この動画は引退した暴力団組長にも回っていた。黒ずくめの外見に慌てることなく落ち着いた様子、射殺するまでわずか数十秒ということから、NEWSポストセブンをはじめ、いくつかのメディアがプロのヒットマンの可能性を示唆していた。そこで元組長に話を聞くと、現代ビジネスの「【独自】ラーメン店長の組長射殺動画を検証したら、犯人があの連続ヒットマンか…六代目山口組が騒然」(2023年6月8日公開)の記事を差し出した。「落ち着いた手口から暴力団関係者だと踏んでいるが、この記事はよく調べているよな」と感心している。