国際情報

米国務長官との会談で習近平主席は皇帝のような位置に 「位置取り」に見る中国政府の思惑を心理士が分析

北京の人民大会堂で、ブリンケン米国務長官(左)との会談に臨む中国の習近平国家主席(AFP=時事)

北京の人民大会堂で、ブリンケン米国務長官(左)との会談に臨む中国の習近平国家主席(AFP=時事)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、会談相手と向き合わず、まるで皇帝のような位置に座った中国の習近平主席と中国政府の意図について。

 * * *
 緊張が続く米国と中国の関係。その行方を占うような光景が、19日、北京で行われた中国の習近平国家主席と米国のブリンケン国務長官の会談で見られた。朝日新聞はその光景について、「会談で異例の演出 米国務長官に向き合った習氏、注目された席の配置」(2023年6月20日公開)という記事で報じた。

 米中関係に注目する人たちは、きっとその場面に「えっ!?」と思ったのではないだろうか。人民大会堂で行われた両者の会談、コの字型に並べられた机の上座、会議でいうなら議長席に習氏が座ったのだ。これまで見たことのない会談光景に、朝日の記事では「過去の同様の会談と比べると、異例さが際立つ」と書かれていた。

 コの字型に並べられた長机に席が用意されている場合、これまでなら習氏はその中央に席に座り、海外の要人と机を挟んで向かい合う対談形式が取られてきた。2013年4月に米国のケリー国務長官と会談した際も、この形式が取られた。もしくは子机を挟んで応接用の椅子を2つ並べるという、見慣れた対談形式が取られるのが常だ。それが今回、習氏が上座にデンと構えて座ったのだ。ポジション・チェンジを行った意図はどこにあるのだろう。

 会議などで席に着く際、位置取りは重要だ。座る位置が討論への参加程度や互いの関係性などに影響を及ぼすといわれているからだ。この現象は発見したスティンザーにちなんで「スティンザー効果」と呼ばれている。対面して向かい合う座席は、視線がぶつかるため緊張感が強くなり、相手と意見がぶつかる可能性が高まるため敵対するポジションといわれる。自分に同調してもらいたい場合は、横並びの同調ポジションがよいとされる。互いに直角となる90度の位置は、視線がぶつかることなく話し合うことができる相談ポジションと呼ばれる。習氏が座ったのはブリンケン氏の直角の位置。相談ポジションを取ったことで、中国側は話し合いに向けて積極的な姿勢を見せたのかといえばそうとはいえない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
3月末でNHKを退社し、フリーとなった中川安奈アナ(インスタグラムより)
《“元カレ写真並べる”が注目》元NHK中川安奈アナ、“送別会なし”に「NHK冷たい」の声も それでもNHKの判断が「賢明」と言えるテレビ業界のリスク事情
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン