永山絢斗容疑者
その意味で占い番組は、視聴者が「エンターテインメントの1つ」として楽しめるレベルで、「ほどほどに当たる」くらいのほうがいいのかもしれません。もともと『突然ですが、占っていいですか?』は、ゲストの性格、生い立ち、生活などを占い師に当てさせる前振りのパートがあり、的中するたびに「LOCK-ON」の音声と文字を出すなど、視聴者を扇動するような演出に否定的な声があるのも事実。「占いをエンタメの1つとして楽しんでもらう」というより、「占いの凄さを見せつける」ような番組になっていることも、否定的な声を集めやすい理由ではないでしょうか。
永山容疑者の件で、あらためて占い番組はセンシティブで危ういジャンルということが明らかになりました。しかもネットが発達したことで、番組を見ていない人々からもバッシングを受けやすいなど、その難しさは増しています。
ただその一方で確かなのは、フジテレビがそれを承知でこの番組を放送し、占い師たちはある程度の批判を織り込み済みで出演しているということ。今後も、番組や占い師たちに向けられる否定的な声をかわしながら、どのように盛り上げていくのか。少なくともしばらくの間は、占いの内容や結果が注目を集めそうです。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
永山絢斗容疑者