警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、自衛官候補生による銃撃事件で注目を集める、銃の訓練について。警察の場合はどうなっているのか。
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「訓練中、たとえ弾が入っていなくても、銃口を人に向けるなど、ありえません。自分の拳銃ですら覗き込むことはありません。拳銃の取り扱いについては、厳しく指導されていましたから」という警察関係者A氏は、「射撃の直前に号令で弾を込め、射撃の順番でない者は、弾に触れることもできないようになっています」と話す。
陸上自衛隊日野基本射撃場(岐阜市)で隊員3人が、自衛官候補生の男に撃たれ死傷するという事件が起きた。男は射撃訓練中、射撃場の射座(銃を発射する場所)に入る前の待機場で、持っていた銃に勝手に弾を装填したという。メディアが報じた自衛隊で射撃訓練を行う際の手順などによると、訓練時は担当の係が訓練の課題に応じて弾数を渡し、射座についてから弾倉に弾を込める。弾数や弾倉などの確認後、発射。教官の他に教育担当の隊員たちがつく。この時、銃口は常に目標に向け、人には向けてはいけない、引き金を引く直前まで指をかけてはいけない、銃の前を通ってはいけないなどの厳しいルールがあり、破れば上官に怒られるだけでなく、訓練生たちの連帯責任となるという。
警察関係者I氏も「拳銃は人を殺める道具ですから、取り扱いには細心の注意を払っています」という。警察と自衛隊では訓練内容も訓練状況も違うが、銃器を用いた訓練を行う以上、どちらも万全の対策を取らねばならない。そのため警察学校では、まず座学で射撃の基本やルールを学ぶことになる。その後、拳銃の操法を学び、空撃ちという弾を入れないで引き金を引く訓練を行った後、実射での訓練となる。警察学校では「拳銃検定」があり、ここで合格して初級の資格を得なければならないのだ。
実射の前に空撃ちを何度も、その他に模擬弾
警察では警察学校卒業後も射撃訓練が行われる。前出のA氏は「所属する署や所属によっては訓練の内容などは異なるようだが、最低でも年1回は実射訓練を行うことになっている。そのほか模擬弾でも訓練を行うことになっていました」と話すが、拳銃を使用する可能性が高い職務についていたI氏の場合は「年間2回ほど、実射訓練をやっていました」という。