佐々木朗希の1勝は「ただの1勝ではない価値」
現在、佐々木朗希は防御率1.69でパ・リーグトップを走っているが、6月は4試合に登板して2.42で1勝2敗だった。
「確かに松川は打撃力が物足りないですし、ただでさえ打てないロッテ打線でスタメン起用を躊躇する気持ちはわかります。しかし、佐々木の暴投がこれだけ多くなってくると、やはり松川を使うべきという声は増えてくるでしょう。佐々木にとっても年上の佐藤には本音を言いづらい面もあるでしょうし、ストレスは溜まっているはずです。ロッテは佐々木で勝てれば乗れる。逆に、相手は佐々木を倒せれば勢いがつく。どっちに転んでも、ただの1勝ではない価値がある。だから、ロッテは佐々木の登板日は絶対に勝ちたい」
松川の代わりに起用されている佐藤や田村の打撃成績が良いわけではない。佐藤は打率2割0分2厘、出塁率2割7分2厘、得点圏打率1割7分6厘といずれも低く、ベテランの田村も打率1割7分8厘、出塁率2割3分8厘、得点圏打率1割2分5厘に止まっている。
「現状のキャッチャーがこのくらいの数字なら、伸びしろを考えて松川でもいいんじゃないかと思います。昨年以上に、佐々木のフォークの落ち具合が鋭くなっているので、しばらく受けていないと取れなくなる恐れもある。そうすると、ロッテの捕手で止められる人がいなくなる。これが一番怖いですね」
開幕から無双状態を誇っていた佐々木朗希の勢いがやや停滞してきたからこそ、捕手との組み合わせもクローズアップされる。はたして、吉井監督はどんな決断を下すか。