時代は変わったのか。阪神から不振の4人が選出されても、疑問視する声は大きくはなっていない──。6月28日、プロ野球オールスターゲームのファン投票結果が発表され、セ・リーグでは全11人のうち10人を阪神タイガースの選手が占めた。
「今季の阪神は開幕から好調で、ファン投票の始まった5月19日は負けましたが、その日を挟んで7連勝、9連勝と絶好調でした。星野仙一監督の元で優勝した2003年も9選手が選ばれています。阪神は強いとオールスターのファン投票が増える傾向があります」(プロ野球担当記者。以下同)
2003年の阪神は先発投手・井川慶(中日・川崎憲次郎の辞退により繰り上げ選出)、捕手・矢野輝弘、一塁手・桧山進次郎、二塁手・今岡誠、三塁手・ジョージ・アリアス、遊撃手・藤本敦士、外野手は金本知憲、赤星憲広、浜中おさむがファン投票で選ばれていた。
「浜中は右肩脱臼のため辞退しましたが、どの選手もファン投票で選ばれてもおかしくない成績を残していました。今季の選出メンバーを見ると、先発の村上頌樹、中継ぎの岩崎優、一塁手の大山悠輔、二塁手の中野拓夢、遊撃手の木浪聖也、外野手の近本光司は良いと思いますが、抑えの湯浅京己と三塁手の佐藤輝明は現在二軍ですし、捕手の梅野隆太郎やシェルドン・ノイジーは“夢の球宴”にふさわしい成績を上げているとは言えません」
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)にも選ばれた湯浅は抑えを任されていたものの調子が上がらず、ファームへ。和製大砲と期待される佐藤は9本塁打、38打点(6月28日現在。記録は以下同)をマークしているものの、打率2割2分9厘と確実性に欠け、6月は1割7分9厘、1本塁打、8打点と絶不調で6月25日に二軍落ちした。
梅野は岡田彰布監督から正捕手として期待されながら、坂本誠志郎にスタメンを譲る機会も多く、バッティングも打率1割7分7厘と精彩を欠いている。かつてはチャンスに強い打撃で甲子園を沸かせたが、今季は得点圏打率も1割6分3厘と低迷している。ノイジーも打率2割3分1厘、4本塁打と当たっておらず、OPS(出塁率+長打率)は6割にも満たない。レギュラークラスならOPSは最低7割、オールスター出場レベルなら8割は超えたいところだろう。