林要氏(GROOVE X 株式会社 CEO・代表取締役)

林要氏(GROOVE X 株式会社 CEO・代表取締役)

林:そうですね。でも書き文字だと、その階層構造がメタ的にわかる。

中野:ええ、この階層構造を認識しないと、自分がバイアスにはまり込んでいることがわからず、自分の考えは無謬であるという無自覚な確信のもとに生きることになります。読書や日記などの習慣があって書き文字に慣れている人の方が、メタ認知はしやすいでしょう。

林:実は、将来はロボットがそういうメタ認知や言語化の補助をしてくれるんじゃないかと考えているんです。ぼくらは日常的には「どの仮説をもとに話しているか」をいちいち定義して会話したり思考したりしないけれど、ずっとそばにいるパートナーのロボットがぼくらを見守り、必要なときにフィードバックしてくれると、人間の言語化能力も飛躍的に上がり、メタ認知も促進されるんじゃないかと。

中野:脳のワーキングメモリー的な働きをしてくれるわけですね。

林:変化の激しい中では迅速なフィードバックがなければ社会についていけなくなると思いますが、第三者的なフィードバックをロボットが迅速に、低コストでしてくれるわけです。ロボットが人間を導くというと、皆、恐怖を感じてしまいますよね。導こうとしている先に誰かの作為やバイアスが入っているかもしれませんから。でも、ロボットが人間を導くのではなくて、フィードバックを通して、人間に気づきを与えてくれるんです。

中野:人の知能の高さって何だろうとよく考えるんですけど、知識の多さや処理の速さはもはや検索エンジンやオープンに使えるデータベースの方が優れていますね。だから、階層的に自己の思考を見て、物事を推敲できることがその要素の一つじゃないかと思うんですが、将来的にはそれもAIが補助してくれるかもしれません。

林:あくまで人間の気づきを最大化するのが、この子たちの報酬になると思うんです。

関連記事

トピックス

10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
ヒグマが自動車事故と同等の力で夫の皮膚や体内組織を損傷…60代夫婦が「熊の通り道」で直面した“衝撃の恐怖体験”《2000年代に発生したクマ被害》
NEWSポストセブン
対談を行った歌人の俵万智さんと動物言語学者の鈴木俊貴さん
歌人・俵万智さんと「鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴さんが送る令和の子どもたちへメッセージ「体験を言葉で振り返る時間こそが人間のいとなみ」【特別対談】
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン