かつての栄光とはほど遠い。米女子ゴルフツアーの今季メジャー第2戦となった『全米女子プロ』(6月23~26日)で予選落ちした渋野日向子のことだ。直前に一時帰国して参戦した国内ツアーでも2試合連続で予選落ちしている。
「2019年の『全英女子オープン』を制したあと、青木翔コーチの元を離れて米女子ツアーに挑戦。2021年から力強いドローボールを打つためにトップの浅いシャロースイングに改造したが結果が伴わなかった。そこで昨年12月に青木コーチとの師弟関係を復活させ、新たなスイング改造に着手している」(ゴルフ担当記者)
2021年の『樋口久子 三菱電機レディス』を最後に優勝から遠ざかっているシブコ。今後の取り組みについて、再タッグを組む青木コーチに聞いた。
「シーズン中はケガもあるので対策を練りながらやるのは大変ですが、その中で数字を残していかないといけないというプロの宿命もあるし、人気選手という立場もあります。うまくやっていければいいと思う」
不調でもシブコ人気は健在だが、復調のカギを握るポイントは何か。青木コーチは、2年前のスイングに戻すことはないと断言する。
「年齢も重ねて、普通の24歳ができないことも多く経験している。この2年間で考え方が変わった部分はあると思うが、これまでがゼロになるわけでもない。ただ、スイングを元に戻すことはできないし、彼女のやりたいことも変わってきているので、その中でいいパフォーマンスが出せる方法を探っています」
そのひとつである「新スイング」の完成時期は?
「今年スタートしたばかりですし、スイングにはゴールがないので何%かと聞かれても難しい。常に楽しくやる。そこだけは気を付けています」
その先に“ニューシブコスマイル”が見られるか。
取材・文/鵜飼克郎
※週刊ポスト2023年7月14日号