エンゼルス・大谷翔平(28)とマイク・トラウト(31)が今季8度目となる「アベック弾」を現地時間7月2日のダイヤモンドバックス戦で記録した。新書『もっと知りたい! 大谷翔平』を上梓した大リーグ評論家・福島良一氏が言う。
「ア・リーグMVPに3度も輝き、“現役最高選手”と謳われるトラウト、大谷のアベックアーチ“トラウタニ弾”が出た今季の試合はエンゼルスが7勝1敗と、大きく勝ち越しています。通算での勝率も7割以上。今季1号、10号、12号と同じタイミングで打っており、チーム優勝には2大スターの本塁打共演は欠かせません」(福島氏)
大谷、トラウトの2人は現役メジャーリーガーのなかでも「最強コンビ」として名を馳せつつある。アベック記録への期待を福島氏が語る。
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今季は打者・大谷さんの個人記録やタイトルに注目が集まりますが、現役最高選手の呼び声が高く、大谷さんと最強コンビを組む「トラ兄(にい)」ことマイク・トラウトとの共演も忘れてはいけません。
トラウトと大谷さんのアベック弾、通称「トラウタニ弾」への期待を語る前に、MLBの歴史を紐解くと、史上最強のコンビと呼ばれていたのが、通算ホームラン714本を放ったベーブ・ルースと、2130試合連続出場を達成した“鉄人”ルー・ゲーリッグです。1920〜1930年代ヤンキースの黄金期に史上最強の3、4番コンビを組み、1927年にルースが60本、ゲーリッグが47本のホームランを放った当時の強力打線は相手チームに「マーダラーズロー(殺人打線)」と恐れられました。両選手は通算73度も同一試合でのホームラン、いわゆるアベック弾を放ちました。
その後、1950〜1970年代にブレーブスのハンク・アーロン、エディ・マシューズが史上最多となる通算75度、同じ時代にジャイアンツのウイリー・メイズ、ウイリー・マッコビーも史上3位となる通算68度のアベック弾を放ちました。1961年、ヤンキースのミッキー・マントルとロジャー・マリスのコンビは、マリスがルース超えの61本を放ち、マントルも54本をマーク。2人合わせて史上最多のシーズン115本を記録し、両選手の頭文字から「MM砲」と呼ばれました。
最近ではヤンキースのアーロン・ジャッジとジャンカルロ・スタントンが話題になりました。2017年、当時マーリンズに在籍していたスタントンが59本を放ち、ヤンキースのジャッジも当時の新人最多記録となる52本をマーク。翌年にヤンキースに移籍したスタントンが身長198センチ、それを上回る身長201センチのジャッジという超大型の大砲コンビでMM砲の記録更新かと期待されましたが、その後4年間は2人とも怪我などでベストパフォーマンスが発揮できず、50本どころか40本にも届きませんでした。