目下、絶好調のエンゼルス・大谷翔平(28)。3月に開催されたWBCでMVPに輝き、早くもア・リーグの“MVP当確”とも囁かれる。そうなるといやが上にも期待してしまうのが、夢の大舞台・ワールドシリーズでMVPを掴む姿だ──。
大谷には、移籍期限となる8月2日(日本時間、以下同)までのトレードが噂されていたが、その可能性は薄そうだ。スポーツ紙記者が語る。
「現在チームがポストシーズン争いに食い込めているのは、本塁打と打点でリーグトップ(7月3日時点、以下同)の大谷の貢献が大きい。そのうえ、ミナシアンGMは『長くここにいてほしいと思っている』と語るなどトレードの可能性を再三否定している。メジャー記者たちの多くは『ない』と見ています」
大谷は日本ハム時代に日本一やリーグMVPを経験し、海を渡ってからもリーグMVPやWBC優勝などいくつもの栄冠を掴んできた。しかし、いまだ縁遠いのが世界最高峰の舞台であるワールドシリーズ出場、そしてその先にあるワールドシリーズMVPだ。
2009年にヤンキースの松井秀喜が受賞したが、そもそもワールドシリーズ出場はチームの総合力が問われるだけに大谷ひとりの力では成し遂げられない面もある。実際、大谷はこれまでプレーオフ出場すら叶っていない。
だが、今シーズンのエンゼルスはここ数年のなかでは最も奮闘しており可能性はゼロではない。
とはいえ、エンゼルスがファンの期待をたびたび裏切ってきたのも事実。このチームで最高の栄誉を勝ち取るための条件は何か──。
まず鬼門となるのが、7月12日に開催されるオールスターだ。大谷はDH部門のファン投票でぶっちぎりの最多得票。3年連続の選出が決まったのは嬉しい限りだが、落とし穴もある。メジャーリーグアナリストの福島良一氏が語る。
「例年、大谷は6月が成績のピークで、オールスター以降は疲労が蓄積して調子が下がります。特に前夜祭のホームランダービーに出場した際は、打撃フォームが崩れて後半戦に本塁打が打てなくなった。いまや世界一のスーパースターになった大谷は“余興”には出場しないほうがいい。オールスター期間中に大谷をいかに休ませるかがポイントです」