ライフ

特定の病気が原因の「二次性高血圧」は重病のシグナルか 医師が気付きにくい側面も

二次性高血圧は医師が気付きにくいという側面も(イメージ)

二次性高血圧は医師が気付きにくいという側面も(イメージ)

「血圧や血糖値が急激に上昇したり、薬を服用しても下がらない場合は、ほかの重病を知らせる“サイン”かもしれないので注意が必要です」と話すのは、上昌広医師(医療ガバナンス研究所理事長)だ。例えば、降圧剤を服用しても数値が一向に下がらない──そんな場合は「腎臓」に病を抱えている可能性がある。腎性高血圧と呼ばれ、動脈硬化や線維筋性異形成による腎動脈の狭窄が原因だ。秋津医院院長の秋津壽男医師が言う。

「高血圧の大半は生活習慣や遺伝などによる、原因が特定できない『本態性高血圧』ですが、約2割程度は特定の病気が原因の『二次性高血圧』があります。比較的多いのが褐色細胞腫や原発性アルドステロン症といった、体内のホルモンバランスの暴走で引き起こされる高血圧です。この場合は降圧剤が効かず、治療には外科手術が必要です」

 二次性高血圧を生じる病気は、そのほかに「クッシング症候群」「睡眠時無呼吸症候群」などがあるという。

「身体の一部位にある血管が炎症を起こし、血管が狭くなることで高血圧となる大動脈炎もあります。私は初診の患者さんの血圧測定は必ず両腕で行ないますが、そこで片腕だけ血圧が高いと、大動脈炎を起こしている場合がある。実際にそれがきっかけで発見したこともあります。いずれの場合も、治療はカテーテルで血管を広げて行ないます」(同前)

 こうした二次性高血圧は医師が気付きにくいという側面がある。

「血圧が下がらないからと薬がどんどん増えますが、それでも血圧は改善されない。放っておくと危険な疾患もあります」(同前)

 また、血糖値についても“危ない上がり方”がある。食後の血糖値が急激に上昇する「食後高血糖」が見られる場合は「肝臓病」を発症している可能性があるという。

 日本糖尿病学会専門医の竹村俊輔医師(医療法人社団ミレナ会日暮里内科・糖尿病内科クリニック院長)が語る。

「慢性肝炎などを発症している場合、血糖を降下させる唯一のホルモンであるインスリンが効きにくくなる『インスリン抵抗性』が高くなり、ブドウ糖を細胞内に取り込みにくくなることで、食後高血糖になりやすくなります。そうした肝臓病の場合、まず食後高血糖が生じ、続いて空腹時の血糖値も上がる。そして時が経つと血糖値が高い状態がずっと続くようになります」

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン