東京都心の最高気温が34℃を超えた7月7日の昼過ぎ。きれいに磨かれた車はまるで鏡のように周りの風景を映し出しながら1台、そしてもう1台、都内の湾岸エリアを目指していた。
青く晴れ渡った空と太陽の光が揺れる水面は、平野紫耀(26才)と神宮寺勇太(25才)の目にどう映ったのだろうか。高速道路を降りた車はそれぞれ、競馬場や湾岸の水辺の景観が目をひく街並みをくぐり抜け、東京・大田区のとある撮影スタジオへと滑り込んでいく。撮影には慣れたはずの2人だが、今日ばかりは緊張を隠せない。
そして同時刻、ある男性も同じスタジオに向けて車を走らせていた。三宅健(44才)だ。5日前の自身の誕生日に生配信で滝沢秀明社長(41才)が設立した芸能事務所「TOBE」への合流を発表したばかりの彼は、白いTシャツに黒いパンツというシンプルな着こなしで、平野と神宮寺より少し遅れてスタジオに入ったようだ。
「彼らはまだ専用のスタジオを持っていないため、一般にも貸し出されている施設を予約し、ライブ配信を行ったようです」(滝沢をよく知る芸能関係者)
七夕の日の夕方、「TOBE」のYouTubeチャンネルの生配信に、平野と神宮寺が登場した。King & Prince(以下キンプリ)脱退から約1か月半。画面の向こうでは103万人ものファンが満を持して彼らを迎えていた。
「この生配信を前に、ファンの期待は最高潮に達していました。それもそのはずです。誰が登場するかは伏せられた状態でしたが、事前に公開されていた2脚の椅子に座る2人のシルエットが映された18秒間の映像では、顔こそ見せないものの、髪形や服装などがクローズアップされ、明らかに彼らを連想させましたからね」(別の芸能関係者)
同じ映像を、別の視点から見ていた関係者もいる。
「まずはシルエットだけを見せるというのは、約60年前、故ジャニー喜多川さんが最初に手掛けたグループ『ジャニーズ』がデビュー前にテレビ出演したときに使った手法なんです。『あのシルエットはいったい誰なんだ』と好奇心をかきたて、満を持してお披露目をしたわけです。今回、滝沢さんが同じ手法を取ったことに、“ジャニーさんのやり方をよく知る後継者はおれなんだ”という意思表示を感じました」(テレビ局関係者)
平野と神宮寺、2人揃っての生配信は30分近くにも及び、すさまじい反響を呼んだ。しかし、取材を進めると、彼らにはあの日語らなかったこと、語れなかったことが多くあることが徐々にわかってきた──。
6月上旬に名古屋で密会
「すごくハッピーです」──配信の冒頭で、司会者からいまの気持ちを問われると、シックな色合いのジャケットに身を包んだ平野は、目を輝かせてこう答えた。何をやりたいかという質問には「ファンの皆さんとぼくたちで、とにかく楽しく、クリエイティブ面でも突き詰めたものを提供し、素敵な時間を作っていくこと」と即答。
一方の神宮寺は「お待たせしました」とはにかみ、「ぼくたちは、皆さんの笑顔を たくさん見たいですし、まだ見ぬ景色、素敵な景色を一緒に、見れたらなと思っております」と、弾んだ声で抱負を語った。